2004-02-01から1ヶ月間の記事一覧

 『ミステリーを科学したら』 由良三郎 文春文庫

医学博士でミステリーも書いている著者のエッセイ集。捕物帳の面白さを語ったり、ミステリーの医学的なミスをだらだらとあげつらったり、毒薬の致死量などを人体実験できないのが残念だと嘆いていたり、とにかく読んでいて楽しい1冊。やはりミステリーの魅力…

 『殺しの双曲線*1』 西村京太郎 講談社文庫

この推理小説のメイントリックは、双生児であることを利用したものです。 何故、前もってトリックを明らかにしておくかというと、昔から、推理小説にはタブーに似たものがあり、例えば、ノックス(イギリスの作家)の「探偵小説十戒」の十番目に、「双生児を…

 『本格ミステリー宣言』 島田荘司 講談社文庫

司の本を呼んでいたら島田の綾辻や歌野がデビューしたときの推薦文がもう一度読みたくなったのでいまさらだが、本格ミステリー論を読む。歌野や綾辻のデビュー作はそんなにいいもんじゃないとは思うが、島田の推薦文は熱意があって何度読んでも素晴らしいと…

 『からくり人形は5度笑う』 司凍季 講談社文庫

27年前、娑華姿という村で行方不明になってしまった父を探しにきたミステリ作家・依井直之は殺人事件に巻き込まれる。島田荘司の推薦文が熱い司のデビュー作。 島田が『本格ミステリー論』で言っている発端の幻想的な謎とそれに対する解答ということで、ミス…

 『アクロイドを殺したのはだれか?』 ピエール・バイヤール 筑摩書房

従来フェアかアンフェアかで議論をなされてきたクリスティーの有名な作品『アクロイド殺し』。本書では「実はポアロ、推理ミスってんじゃねえのか?」と考えたバイヤール氏が執筆した、アクロイドを殺した本当の犯人を指摘する刺激的なミステリの評論。ポア…

 『コスプレ探偵花梨1 助けて!ワトソン君』 じょうもん弥生 富士見ミステリー文庫

『名探偵に必要不可欠な条件。それは観察力とコスプレよっ!!』という売り文句に興味を持ち購入。メイド・スク水・体操着など様々なコスプレを駆使して悪の秘密組織と戦う名探偵というストーリーを期待していたのだが、中身はいたって普通の殺人事件を扱っ…

 『皆殺しパーティ』 天藤真 創元推理文庫

富士川市を牛耳る傑物・吉川太平が命を狙われる殺人事件を描く長編。主人公・吉川太平は女性にすぐ手を出すヒヒオヤジで最低の人間として描かれている。が、この小説は彼の一人称の手記という体裁をとっており、本人はそのことに全く気付いておらず、物凄い…

 『六番目の小夜子』 恩田陸 新潮文庫

とある高校では三年に一度、一人の高校生が「サヨコ」に選ばれる。「サヨコ」に選ばれた者はあることを誰にもばれないように成し遂げなければならない。学園生活を描いた恩田陸の見事なデビュー作。 時事ネタを作中にとりいれていないため(共通一次ぐらいか…

サークルの課題をこなすためクリスティーを飛ばし読みしている。内容を覚えてないものが多い。サークルの課題はとりあえずお気に入りを10作ぐらい選んで適当にだらだら書くことにした。が、現在マープル物でどれをきるかで悩んでいる。『牧師館』と『火曜…

 『アガサ・クリスティー読本』 H・R・F・キーティング 早川書房

クリスティー生誕100周年記念として製作されたクリスティーの読本。クリスティーのことなら犯人以外は全てわかる*1という帯の文句が凄い。クリスピンやブランドや乱歩などさまざまな作家や評論家によるエッセイや評論が収められている。 私はアガサ・クリス…

 『ぺとぺとさん』 木村航 ファミ通文庫

マガ校に転校してきた中学二年生(見た目は小六、戸籍上は二十歳以上)藤村鳩子は愛しい物、気に入ったものと肌が触れ合うと「ぺとっ」とくっついて離れなくなってしまう妖怪『ぺとぺとさん』だった。その他にも『河童』の沙原くぐる、『あかなめ』の赤沢清…

 『無人館8 リチャード・ダッド』 岩崎美術社

1843年、26歳の時に父親を変装した悪魔だと思い込み刺殺した狂気の画家リチャード・ダッドの画集。彼の代表作は『対立・オベロンとティターニア』と『お伽の樵の入神の一撃』。ダッドは妖精の絵で有名だが、風景画も結構描いてる。 『お伽の樵〜』にはオベロ…

 『マリア様がみてる』 『びっくりチョコレート・前編』

こんなもんを観たり読んだりして、喜んでいる野郎供を今までさんざん馬鹿に(心の中で)してきたが、祥子様はすばらしいやね、いや、本当に。次回予告とかもう最高。

 『世紀末探偵倶楽部』 四谷シモーヌ 太田出版

かの名高き名探偵シャーロック・ホームズの漫画版。『三人ガリデブ』『ボヘミアの醜聞』他一本を収録。ただし18歳未満閲覧禁止の女性向。ホームズとワトスンの熱いヴェーゼは当たり前。ホームズがワトスンのモノをしゃぶったり、突っ込んだり、突っ込まれた…

 『ヤミツキ!探偵ミステリー読本』 D・C・L編 ぶんか社

『アンダーメフィスト世代の探偵小説ガイド』としてメフィスト賞以降の作家40人+それ以前の作家10人を紹介している。 『心に効く癒し系不思議本格ミステリー・高里椎名』や『中毒にかかったらもはやあなたは抜け出せない!・浦賀和宏』等等キャッチコピー…

 『姉飼』 遠藤徹 角川書店

第10回日本ホラー小説大賞受賞作『姉飼』他三篇を収録した短編集。先日『元さんと一緒に京都で昼飯を食おうよの会』で頂いた本。 表題作『姉飼』はグロイ。読んでいて気持ち悪くなる。迫力はあるが、私の趣味ではない。 私が好きなのは三作目『ジャングル…

 『日本探偵小説全集6 小栗虫太郎集』 小栗虫太郎 創元推理文庫

ミステリ界に名高い『黒死館殺人事件』他4篇を収録したもの。私はまだ『黒死館殺人事件』しか読んでない。 『黒死館殺人事件』 (あらすじ紹介) グレーテは栄光に輝きて殺さるべし。 オットカールは吊るされて殺さるべし。 ガリバルダは逆さになりて殺さる…

帰省する。1週間ぐらい更新停止予定。

 『漂う提督』 アガサ・クリスティー他 ハヤカワ・ミステリ文庫

チェスタトン、クリスティ、セイヤーズ、クロフツ、バークリーなど黄金時代の12人の作家が書いたリレー小説。2ちゃんねるのメフィスト学園みたいなもの。現在絶賛絶版中だが、その理由もうなずけるような出来だ。ミステリとしてはあんまり面白くないが、執…

なんか積読本を数えてみたら250冊超えていたんで、しばらく古本屋通いをやめることにする。『黒死館』を読み終わるまではもう古本屋には行かない。

 『中世騎士物語』 ブルフィンチ 岩波文庫

本書は主に3つの部分から構成されている。まず第1部は『アーサー王とその騎士たち』タイトルで、ランスロットやガウェイン、トリスタン等の騎士たちの活躍を収めている。 次の第2部は『マビノジョン』というタイトルで、ウェールズの民話を収めている。アー…

 『人間臨終図巻Ⅰ』 山田風太郎 徳間文庫

15歳から55歳までの臨終の場面を描いたもの。キリストからジョン・レノンまで多彩な人物を幅広くカバーしている。私が一番印象に残っているのが小栗虫太郎の章。とりあえず人が死ぬ場面が好きな人にはお勧めの1冊。

 『星を拾う男たち』 天藤真 創元推理文庫

表題作『星を拾う男たち』を含む11話の短編集。 この短編集に収録されているのはどれも40年も前の作品なので、時代や何やかやと色々と古臭い箇所が目立つが、それを補って余りあるほど謎の設定が魅力的だ。表題作『星を拾う男たち』がそのいい例だろう。空か…

 『フランダースの犬』 ウィーダ

有名な『フランダースの犬』と『ニュールンベルグのストーブ』を収めた薄い本。両方とも説教臭くて全く面白くない。

 『覇道の鷲 毛利元就』 古川薫

ミステリ読みたくないから時代小説を読んでみたのだが、これは失敗だった。毛利元就の生涯をだらだらと描いているだけで、お話として全く面白くない。時代小説にやたらと出てくる濡れ場が、あまり出てこないのには好感が持てた。

 『砂漠の薔薇』 飛鳥部勝則

表紙と口絵は面白い。内容はたいして面白くない。

 『黒いリボン』 仁木悦子

仁木悦子(登場人物)は偶然国近絵美子と出会い、彼女の家に招待される。絵美子には2人の子供がいたのだが、彼女の結婚生活は決して幸せなものとはいえないようだった。そんな中、家人が目を離した隙に長男が誘拐されるという事件が起こる。更に身代金を払い…

 『花嫁の叫び』 泡坂妻夫

つまらない。内容を紹介する気にもならない。昔の男性小説家に多いのだが(最近の若手もそうか)、何でこう無駄な濡れ場を入れるんだろうか。その小説が面白くなるんなら死姦だろうがスカトロだろうが何をやってもらっても構わないが、まったく小説の面白さ…

 『災厄の町』 エラリイ・クイーン

(あらすじ紹介) ライツビルという何の変哲も無い町にエラリイ(登場人物)が引っ越してくる。彼が引っ越してきた当初、町の人々は彼を著名な作家として盛大にもてはやした。しかし彼が居候しているライト家で、ローズマリー・ハイトを毒殺する事件と、ノー…

私が所属しているミス研からレビューを書くときの諸注意を賜った。以下注意点を箇条書きする。 自分のことは書かない。 内輪受けの文章は書かない。 未読の人の興味をそがない。 作品そのものに関係ないことを書かない。 なるべく一般化する。 今回は暇つぶ…