2004-01-01から1ヶ月間の記事一覧

 『ロートレック荘事件』 筒井康隆

最近のなかなか人が死なないミステリなんかと比べるとテンポよく人が死ぬんで、読んでて気持ちよかったです。何だかんだいってミステリの醍醐味は人が死ぬことですよね、やっぱり。いや、北村薫とかも好きですけどね。 あと読んでいてポーの短編を思い出した…

 『黒衣婦人の香り』 ガストン・ルルー

あの有名な『黄色い部屋の謎』の続編。前作で明らかにされなかった『黒衣婦人』の秘密が明かされる。が、正直ミステリとしては全くお勧めできない。ミステリとしての出来も悪いし、純粋にお話自体もつまらない。登場人物のセリフも時代がかってて大袈裟で。…

 『湖底のまつり』 泡坂妻夫

香島紀子は地方の村へ旅行に行き、そこで埴田晃二と言う人物と出会い恋をする。が、その人物は翌朝には消えてしまう。紀子が村人たちに聞いてまわると埴田なる人物は1ヶ月前に殺されていたことがわかる。では紀子が出会った人物はいったい誰だったのか? 私…

 『寝台特急「はやぶさ」1/60の壁』 島田荘司

私は吉敷刑事のキャラクターがあまり好きではなかったので吉敷物は敬遠していたのだが、暇な間に積読本を処理しようと本書を読んだ。 裸の女性が顔を剥ぎ取られて殺されているのが被害者の自宅で発見されるが、その女性は死亡推定時刻には列車「はやかぜ」に…

『姑獲鳥の夏』 京極夏彦

いまさら語ることは特に無いのだが、先日京極が『後巷説百物語』で直木賞をとったので、その記念にハードカバーで再読してみた。書店で手に取ったときは「ハードカバーにしては軽いな」と思ったが、寝ながら読もうとしたら重くて読めなかった。 読んでいて気…

 『妖精Who's Who』 キャサリン・ブリッグズ

『ねじれた家』という大変面白いクリスティのミステリがあります。私はこの小説に登場するジョセフィンという探偵ごっこに興じる小生意気な少女が大好きなのです。彼女は幼いころに母親から「とりかえっ子(=チェンジリング)」と悪口を言われていた経験が…

 『美少年学入門』中島梓

日本のやおい文化をその黎明期から見てきた中島梓の、JUNEに掲載された評論を収録したもの。やおい文化に免疫が無い人には刺激が強い。何でこんなもんを買っちまったんだ、俺は。しかも何でテスト期間中に読む。著者の文体が気持ち悪い。内容も気持ち悪い。…

 『ジュリエットの悲鳴』 有栖川有栖

・私が新本格を知ったのは綾辻でも法月でも無く有栖川だった。 ・まだミステリが大好きだったころだ。 ・初めて名前を見たときはキモイ人なんだろうなと思った。 ・顔写真を見たときは逃げ出した。 ・『双頭の悪魔』を読んだ時の衝撃は忘れられない。 ・関西…

 『残像に口紅を』 筒井康隆

もっちさんお勧めの1冊。言葉が消えていく世界を描いたもの。発想は素晴らしいし、書ききった手腕もすごいが、お話としては終盤になるまでがつまらない。古臭い文学論や、使えない濡れ場などがあって読むのが苦痛だった。第3部は文句なしに面白い。あとタイ…

 富豪刑事 筒井康隆

『ロートレック荘』と並んでミステリ野郎の間では評価が高い本書。都筑道夫の『退職刑事』の時にも感じたことだが、国内の昔のミステリは結構その時代の風俗をとりえているので、私は古臭さを感じてしまう。昔の作品でも舞台を執筆当時よりも以前に設定した…

 『世界の果てのカレイドスコープ』 野崎六助

ミステリの評論。これをハードカバーで買ったのは失敗だったか。 第1章の西尾維新などの若手に対する意見は、50代のおじさんが最近の若手をどう捉えているかが垣間見えて、結構興味深い。佐藤や舞城を笠井潔の「脱格系」と言う呼称ではなく「ゼロゼロ世代…

 『巫女みこなーす』作詞・作曲:柏木るざりん

この歌は麻薬です。これを作ったスタッフを褒め殺したい。エロゲーの歌ですが、破壊力だけならQueenのアルバム「Jazz」に入っている「Musutapha」さえ超えています。「セクシャルバイオレット」や「ソウルトレイン」など歌詞の内容はよくわからないのですが…

 『秘密機関』 アガサ・クリスティ

クリスティの作品の中でも『ビッグ4』と一、二を争う出来と言われている本書。思うにスパイ小説のはずなのに主人公であるトミーとタペンスがバカップル振りをさらしているから、緊張感がないせいだろう。ただ私はこういう生ぬるいラブコメものが大好きなの…

 『ブギーポップは笑わない』上遠野浩平 

多分私は自分を特別だと思っている平凡な中高生の日常を描いた物語には全く興味が無いのだろう。同じ電撃文庫の人気作品と言うことなら『キノの旅』のほうが性に合うな。

Queen 〜Made In Heaven〜

そろそろQueenネタにも飽きてきたので、『ボヘミアン・ラプソディ』や『ムスターファ』など語りたいことはまだまだあるがとりあえずこれでラストにする。今回取り上げるのはフレディ・マーキュリーがエイズでなくなってから4年後に発売されたQueenのラストア…

 『月の扉』 石持浅海

最高じゃないですか、これは。ハイジャック事件はサスペンス満点で面白いし、殺人事件も地味だけど面白い。何よりラストがいいですよ。私は法に触れた人間は必ず何かしらの落とし前はつけるべきだという考え方の持ち主なので、このラストは最高ですよ。長編…

Queen 〜Sheer Heart Attack〜

「Brighton Rock」 1曲目からブライアン・メイの印象的なギター、別名「津軽じょんがるギター」の炸裂でこのアルバムは幕を開ける。「Death On Two legs」や「Tie Your Mother Down」などQueenは派手な曲をアルバムの冒頭に載せるが、今回ほど印象的なものは…

 『夏の夜会』 西澤保彦

私は大学でミステリー研究会というマニアックなものに所属している。で、そこには少々困った先輩がいる。彼は佐藤友也とか浦賀和宏とか舞城王太郎とか『マリみて』などの本をうれしそうに貸してくれる。とても迷惑な先輩だ。彼と私とはとても仲が悪い。サー…

 「私本太平記」 吉川英治

以前も述べましたが、本書は太平記という題名ですが、内容は裏切りあり、戦争ありで、とても殺伐としています。で、私はニュースで報道される殺人事件やら戦争やらで人が死ぬのを見て大喜びする屑人間なため、人が死にまくる本書は大変楽しかったです。こう…

グダグダだ、今回。

今回は『私本太平記』のラストについてネタバレしています。あと、私の考え方に嫌悪感を持つ方も多いと思いますので、その場合はいくらでも文句を言ってもらって結構です。

ジョン・レノンならRevolutionだろうが

諸般の都合により、大学の学術総会に参加した。大学闘争華やかなりしころの名残がいまだに残っているようだ。 イラクに自衛隊派遣するのには反対ですか。そうですか。私は不戦の集いとかどうでもいいですよ。好きなだけ「イマジン」でも歌ってなさい。どうせ…

 Queen 〜QueenⅡ〜

Queenの全アルバムの中でも屈指の完成度と人気を誇る名作。 「White Queen」に代表される荘厳なホワイト・サイド(1〜5曲目まで)もいいが、圧巻は「Ogre battle」(6曲目以降)から始まるブラック・サイド。一つ目の食人鬼、オベロンとタイタニアの妖精、…

 「私本太平記(全8巻)」 吉川英治

歴代天皇の中でも屈指の迷惑さを誇る後醍醐天皇。その側近の俊英・日野俊基が鎌倉幕府を倒すために暗躍すれば、忠臣・楠木正成がそれに応えて赤坂城に立て篭もり、幕府軍を翻弄する。さらにバサラ大名・佐々木道誉は時には宮方、又時には幕府方と不気味に暗…

 Queen 〜戦慄の王女〜

今となっては古臭いイギリスの人気ロックバンドQueenの衝撃的なデビューアルバム。 1曲目「Keep Your Self Alive」(邦題:炎のロックンロール) 素晴らしいとしかいいようがない。印象的なギターから始まる。しかし邦題はもう少し何とかしてほしかった。ど…

「撲殺天使ドクロちゃん(2)」 おかゆまさき

一部で大好評の本書。私は電撃文庫など普段は恥ずかしくて買えない駄目野郎なのだが、とあるサイトの書評を読んで興味を持ち、1巻目を購入して読んだところ大変面白かった。そこで第二巻も購読し、いろいろと思うことがあったので、また某先輩からも書けと…

荒地出版社 『J’sミステリーズKING&QUEEN』 探偵小説研究会 『本格ミステリこれがベストだ!2004』 D・C・L編 『ヤミツキ!探偵ミステリー読本』 ダ・ヴィンチ特別編集 『金田一耕助 日本一たよりない名探偵とその怪美な世界』 ディック・ライリー&パム・…

渡辺剣次 『ミステリイ・カクテル 推理小説トリックのすべて』

ライマン・フランク・ボーム 『オズの魔法使い』 リチャード・シャタック 『ハネムーンの死体』 隆慶一郎 『一夢庵風流記』 隆慶一郎 『吉原御免状』 隆慶一郎 『鬼麿斬人剣』 隆慶一郎 『柳生刺客状』 隆慶一郎 『かくれざと苦界行』 レイモンド・チャンド…

山岡荘八 『源頼朝(1)』 山岡荘八 『源頼朝(2)』 山岡荘八 『源頼朝(3)』 山岡荘八 『織田信長(1)無門三略の巻』 山岡荘八 『織田信長(2)桶狭間の巻』 山岡荘八 『織田信長(3)侵略怒涛の巻』. 山岡荘八 『織田信長(4)天下布武の巻』 山岡荘…

マーク・チャドボーン 『フェアリー・フェラーの神技』 舞阪洸 『御手洗学園高等部実践ミステリ倶楽部 亜是流館の殺人』 舞阪洸 『御手洗学園高等部実践ミステリ倶楽部2 彫刻の家の殺人』 松尾由美 『ブラックエンジェル』 マックス・アフォード 『魔法人形…