『星を拾う男たち』 天藤真 創元推理文庫

 表題作『星を拾う男たち』を含む11話の短編集。
 この短編集に収録されているのはどれも40年も前の作品なので、時代や何やかやと色々と古臭い箇所が目立つが、それを補って余りあるほど謎の設定が魅力的だ。表題作『星を拾う男たち』がそのいい例だろう。空から死体が降ってくるというアホな話が、ミステリとしてきれいに解決されるという本当に素晴らしい短編である。
 個人的なお気に入りは第5話『白い火のゆくえ』だ。これは中学生たちがある切手をめぐってドタバタする話だが、ちょっと乱歩の少年探偵団物っぽい。すごく安っぽい話。でも気にいっている。