『六番目の小夜子』 恩田陸 新潮文庫

 とある高校では三年に一度、一人の高校生が「サヨコ」に選ばれる。「サヨコ」に選ばれた者はあることを誰にもばれないように成し遂げなければならない。学園生活を描いた恩田陸の見事なデビュー作。
 時事ネタを作中にとりいれていないため(共通一次ぐらいか)、10年以上前に描かれた学園物なのに全く古臭さを感じさせない。また作中で扱われる高校生達が素晴らしい。何よりも彼らが最後にきちんと成長しているのが本当に素晴らしい。若者が成長していく過程を見るのは何よりも心地よい。こんなに面白いならブクオフで買わずに、ちゃんと書店で買えばよかった。