『完訳 ペロー童話集』 新倉朗子訳 岩波文庫

現代向けの童話を読むんならキチンと元ネタをおさらいしとかないとあかんなということで、誰もが子供の頃読んでいるだろうけど、大人になってから読む奴はあんまいないっぽいペローの童話集をきまぐれに読んでみた。 さて、このペローの童話集、どれもつらつ…

 『ケルト妖精学』 井村君江 ちくま学術文庫

妖精について纏めた本というよりも、イングランドで語られた文学をフェアリーテイルという視点から切りとった文学論っぽい。エアリアルやパックなどの造形を作り上げたシェイクスピアの功績を讃えている。

 『吸血鬼伝承 生ける死体の民俗学』 平賀英一郎著 中公新書

マウスをイジイジクリクリしていたらまたもや太陽が昇る時間までPCで遊んでしまったこんな生活をいつまでも続けていたらいかんわなとも思うんだがでも大丈夫カーテンを閉め切っていれば恐ろしい天照大神の紫外線なんかは怖くないよいかんいかんちょいと取り…

 『現代語訳 平家物語(上)』 中山義秀訳 河出文庫

和服のおねいさんが活躍する話を読もうかなと思い立ったので、現代語訳の平家物語に手をつけてみた。この上巻では「平家にあらずんば人にあらず」とまで言われた平家方の驕りを数々のエピソードを通して描くのを主眼としている。この巻には源氏という明確な…

 『ミステリイ・カクテル 推理小説トリックのすべて』 渡辺剣次 講談社文庫

おいおいおいネタバレ多いよセニョリータ。

 『黒魔術の手帖』 澁澤龍彦 河出文庫

カバラに薔薇十字団、タロット占い、サバト、黒ミサ、ノストラダムスの予言、錬金術等々、一般に黒魔術と呼ばれるどうしようもない程胡散臭い知識の固まりを延々と紹介しまくるあやしげなエッセイ。若者を殺しまくったことで有名な犯罪者ジル・ド・レエにつ…

 『インド神話 マハーバーラタの神々』 上村勝彦 ちくま学芸文庫

何故か分からないけど、インド神話を読まなければならないと唐突に思い立って、そんで代表的な『マハーバーラタ』を読もうとしたのですよ。しかしですね、この『マハーバーラタ』、ちょいと長すぎる。マハーバーラタといえばホメロスのオデュッセウス・イリ…

 『毒薬の手帖』 澁澤龍彦 河出文庫

違う、人が死ぬ本を読むのは単なる逃避行動なのではない。戦術的撤退なのだ。一時的に別世界で戯れることによって集中力を高めるという、そしてその集中力を勉学の方にも転向させるという、そういう効果があるんだ。だからこれは間違ったことじゃないんだ。…

 『ミミズのいる地球 大陸移動の生き証人』 中村方子 中公新書

ミミズなんかにゃ興味ねえよ。

 『オズの魔法使い』 ライマン・フランク・ボーム ハヤカワ文庫

竜巻に巻き込まれたドロシーが、小母さんの待つカンサスの家に帰るため、脳みそのない案山子、心を持たないブリキの木樵り、臆病なライオン、それに愛犬のトトと共にエメラルドの国を旅するファンタジー。“木樵りに脳みそがなかろうと、カカシに心臓がなかろ…

 『スペイン民話集』 エスピノーサ・三原幸久編訳 岩波文庫

芥川龍之介が書いた『蜘蛛の糸』のモトネタになった『聖女カタリーナ』や、シェイクスピアの『じゃじゃ馬ならし』に影響を与えたとみられる『天下を取りたがる女房』など82篇のスペインの民話を収録。本書はそれらを謎話、笑い話、教訓話、メルヘン、悪者話…

 『小さな手袋』 小沼丹 講談社文芸文庫

『黒いハンカチ』を書いた小沼丹のエッセイ集。たまには気分転換にエッセイ読むのもいいんじゃないですかということで、まあ読んでみた。とぼけた語り口が◎。

 『ミステリーの生まれたところ』 坂本康子著 NHK出版

NHKでやってる「アガサ・クリスティー紀行」を書籍化したもの。カラーが少ないよ、カラーが。せっかくイギリスまで綺麗な映像をとってきたんだから、もっとカラー写真を使おうよ。

 『ライトノベル☆めった斬り!』 大森望・三村美衣 太田出版

本書のメインとなる大森望と三村麻衣との対談なんだけども、両人ともセンスが古臭くて、俺はあまり楽しめなかった。これは俺がラノベにあんまキョーミがないせいかな。それともこの本が年配向けに作られているせいかな。正直な話、ラノベの話はネットみたら…

 『桜の園・三人姉妹』 チェーホフ 新潮文庫

『桜の園』はメガネをかけた家庭教師のシャルロッタ先生が手品をするといった風に、コミカルなキャラが活躍する作品。駄洒落を多用し、恋愛要素を付け加え、読者を飽きさせないようにしている。ただし扱っているテーマは貴族社会の没落&一家離散という非常…

 『ライトノベル完全読本 vol.2』 日経BP社

先日、「なんで皆夢中になってライトノベルの定義なんかやってんのー?」って、俺よりもライトノベルに詳しい子に聞いてみたら、「だってライトノベルはその成立過程から一般小説よりは下だと思われているんですよ。それが嫌なんですよ。だから云々」と返さ…

 『随筆 新平家』 吉川英治 吉川英治歴史時代文庫補4

七年もの長期に及ぶ週刊朝日連載中に筆休めとして書かれた『新平家落穂集』・『新平家雑感』・『新・平家今昔紀行』の三点を収録。作者による『新・平家物語』創作裏話、(例えば朱鼻伴卜や阿部麻鳥には実はモデルがいただの)、あるいは作者近況を載せたり…

 『読書について 他二篇』 ショウペンハウエル著 岩波文庫

本を読むことよりも物を考えることの素晴らしさを説いた『思索』、ドイツ語の乱れを嘆く『著作と文体』、多読よりも精読、再読の素晴らしさを説く『読書について』と計3作品を収録。 著者が読者に伝えたい事がはっきりしているせいか、論旨が明確で、非常に…

 『封神演義(下)』 安能務訳 講談社文庫

「大空の下に神、もしくは何らかの正義があるのか? 生死に果たして意味や理由があるのか? 我々が抱く疑問に答えが存在するのか?」 そんな人間たちの叫び声をよそに、虐殺を繰り返す仙人達。彼らには正義や大義名分など必要ない。「殺したいから殺すんだ」…

 『封神演義(中)』 安能務訳 講談社文庫

ああ、聞仲が死んでしまった。快楽殺人者しかいない仙人達に対して果敢に戦ってきた聞仲が死んでしまった。暗愚になった王様を必死に盛り立ててきた聞仲が死んでしまった。ご冥福をお祈りしよう。 それにしても十絶陣の破り方すげーな。仙人って一体何なんだ…

 『封神演義(上)』 安能務訳 講談社文庫

中国三大奇書の一つと讃えられる封神演義。内容は『宝貝』と呼ばれるトンデモ兵器を使った大殺戮。メインキャラ400人中365人が死亡するという序文に期待が高鳴る。 内容も期待通り。「暇だから」「面白いから」「なめられたし」「人口増えてきたし」etc…。そ…

 『コーランを知っていますか?』 阿刀田高 新潮社

そもそもムスタファ(:Mustapha)とは語源がイスラームの開祖・マホメット(:Muhammad)にまで遡る事が出来るという大変由緒ある名前なのである。だからいつまでもハァハァとかぴるぴるとかアホなことばかり言っていたら罰が当たりますよと、そんなことを…

 『ミステリ美術館 ジャケット・アートでみるミステリの歴史』 森英俊編著 国書刊行会

怪しげなおっさんや骸骨、乱れ飛ぶdeathやmurderの文字。コミカルなものからおどろおどろしいもの。そんな海外ミステリの様々なジャケットを460点も集めたという森英俊入魂の一冊。涅槃へ旅立ってしまった書物狂から「原書集めには興味がない、ミステリなん…

 『アガサ・クリスティーの誘惑』 芳野昌之 早川書房

処女作『スタイルズ荘の怪事件』から晩年の作品である『運命の裏木戸』まで、クリスティーの様々な作品を丁寧に紹介するエッセイ集。読んでいる間中、楽しくて楽しくて、顔がにやけっぱなしだった。ヤバイ。危ない人にしか見えない。 ちなみにわたしのお気に…

 『ミステリーファンのための警察学読本』 編著=斉藤直隆 アスペクト

“ミステリーファンの”とタイトルにはあるのだが、俺には全く楽しめなかった。

 『ニーベルンゲンの歌 後編』 相良守峯訳 岩波文庫

夫であるジーフリトをハゲネに殺されたクリエムヒルトが、ありとあらゆる人間に迷惑をかけ、手段を全く省みず、恨みを晴らすという復讐の物語。 2万人をたったの2人で撃退する場面があったり、たったの1行で9千人が死んだりと前編の静かな宮廷ドラマに比…

 『ニーベルンゲンの歌 前編』 相良守峯:訳 岩波文庫

なんとなくファンタジーが、それもコテコテのやつが読みたくなったので、ドイツの『イーリヤス』とも賞賛される本書を読んでみた。しかし、こいつは全然ファンタジーじゃ無かった。少なくとも俺の期待するようなやつじゃなかった。他の部族を討伐したり、嫁…

 『私が愛した名探偵』 新保博久=編著 朝日新聞社

この本は最高だ。クイーンのことを“論理の神に仕える司祭”とか表現している北村薫のやつが特にいい。いい買い物をした。

 『ライトノベル完全読本』 日経BP社

『ライトノベル完全読本』と題しているのに、背広着てネクタイ締めた(&爽やかな笑顔の)オッサンの顔写真付インタビューが載っていたりするのが、いかにも日経らしい。 本書135頁にある大森望の『一般文芸書の世界から見たライトノベルの存在とは?』での“…

 『百人一首』 島津忠雄訳注 角川文庫ソフィア

一日に2〜3首ずつちびちびと読んだ本。恋に関する歌が非常にエロい。本と本を読む合間の息抜きとして使う分にはなかなか楽しめた。