2004-07-01から1ヶ月間の記事一覧

今月読んだ本(マンガは除く)は26冊。ペース落ちた。1. キャサリン・ブリッグズ 『妖精の時代』 2. 阿刀田高 『私のギリシャ神話』 3. 乙一 『暗いところで待ち合わせ』 4. 吉田司雄 『探偵小説と日本近代』 5. 壱乗寺かるた 『さよならトロイメライ』…

 『風の万里 黎明の空 (下)』 小野不由美 講談社X文庫

祖国を離れて旅を続けながらも、ちょっとずつ成長していく三人の少女を描いた物語。 麒麟の”小のために大を殺す”というドラえもんのような行動方針があまり好きになれない。政治家には向かねえ生物だよな、こいつら。まあ、そこ以外は楽しめた。

 『宮本武蔵(二)』 吉川英治 吉川英治歴史時代文庫

この吉川英治の『宮本武蔵』は1巻だけ読んで、あまり面白くなかったから長いこと放置していたのだが、せっかくの夏休みだからということで、普段は読めないような長編小説に再チャレンジしてみた。んで、2巻目を読んでみるとそこそこ面白い。 吉川英治の魅…

 『日本探偵小説全集9 横溝正史集』 横溝正史 創元推理文庫

『本陣殺人事件』や『獄門島』といった日本ミステリを代表する2つの長編に加え、『悪霊』や『車井戸はなぜ軋る』なんかの4つの中短編を収めた1冊。コレが1000円とちょっとで買えるというのは非常にコストパフォーマンスが高い。 この全集では『本陣殺人事…

 『第三の銃弾[完全版]』 カーター・ディクスン ハヤカワ文庫

久々の海外ミステリ。3種類の拳銃から発射された弾丸の謎をめぐる中篇。 カーの作品ということであんま期待していなかったのだが、かなり面白い。人が一人しか死なないのがちょっと物足りないけれども、3つの拳銃をめぐるやりとり(どれが最初に発射された銃…

 『ライトノベル完全読本』 日経BP社

『ライトノベル完全読本』と題しているのに、背広着てネクタイ締めた(&爽やかな笑顔の)オッサンの顔写真付インタビューが載っていたりするのが、いかにも日経らしい。 本書135頁にある大森望の『一般文芸書の世界から見たライトノベルの存在とは?』での“…

政宗さんとこの『本格ミステリ04』にとりあえず投票してみた。こういう企画に慣れていないせいか、選ぶのが結構恥ずかしかった。

 『百人一首』 島津忠雄訳注 角川文庫ソフィア

一日に2〜3首ずつちびちびと読んだ本。恋に関する歌が非常にエロい。本と本を読む合間の息抜きとして使う分にはなかなか楽しめた。

あー、今日ほどサイト名を変更したいと思ったことはない。誰だこんな馬鹿なサイト名をつけたやつは。ハアハアってなんだ、ハアハアって。長いし語呂も悪い。もっとミステリサイトっぽいかっこいいのを考えりゃ良かった。 どうする、こんなアホなサイト名で政…

 『黒の貴婦人』 西澤保彦 幻冬舎

匠千暁・高瀬千穂をはじめとするいつもの仲良し4人組が、酒を飲みつつ、くっちゃべりながらも推理(というよりも妄想)を発展させていくという短編集。 白眉はやっぱり表題作・『黒の貴婦人』だろう。ひとつの短編として読んだ場合、いつもの西澤保彦のミス…

 『本格ミステリ04』 本格ミステリ作家クラブ編 講談社ノベルス

毎年恒例となっているアンソロジー。去年とは異なり、基本的にどの作品も(2,3の例外を除いて)楽しめた。ただ今年は評論が少なかったのがちょっと不満だったかな。まあ評論の方は『本格ミステリこれがベストだ!2004』で補完しといたから別にいいや。んじゃ…

 『クレイジー・クレーマー』 黒田研二 JOY NOVELS

プロローグだけを読んで、「ハイハイまた叙述トリックね、うっぜえなあ、もう」などと考えて、一度は読むのを途中で放棄したのだが、先月大阪大学で行われた講演会がかなり面白かったので、テスト勉強の息抜きとして読んだ本。が、読み始めたら意外に面白か…

 『マークスの山(下)』 高村薫 講談社文庫

警察組織との軋轢に悩む合田刑事と殺人鬼・マークスとの攻防を描いた長編小説の下巻。 今までの作品もそうだったが、高村薫の作品は面白いんだけれども読んでいて楽しくない。イメージで言えばワクワクするんだがドキドキしない。多分ぴるぴる分が足りないせ…

 『月姫』 TYPE-MOON

某大学のミス研部員から「お前、これやれよ」と何でか知らないが押し付けられた18禁ゲーム。というか押しつけた本人はPlayしていないらしい。一体何考えてんいるだお前さんは。自分がやってもいないのを他人に勧めるんじゃあない。「じゃあ、『痕』やんね?…

 『天帝妖狐』 乙一 集英社文庫

普通。

 『危険な童話』 土屋隆夫 光文社文庫

うちのミス研で流行った「お互いに(いらなくなった)本をおしつけあおうぜ」企画でもっちさんから頂いた本。ぁゃιぃ童話とそれにまつわる殺人事件を描いた物語。 容疑者が一人だけなのだが、それでも最後まで飽きさせずに読ませるのがすごかった。特に最終…

 『ハネムーンの死体』 リチャード・シャタック 創元推理文庫

新婚夫婦がちょっとした勘違いから死体を発見してしまい、それをめぐって大騒ぎをするユーモアミステリ。西澤保彦の『彼女が死んだ夜』やクレイグ・ライスの『大あたり殺人事件』なんかと雰囲気が近い作品。 人が一人死んでいるのにひたすらふざけ続ける登場…

 『悪魔のミカタ 魔法カメラ』 うえお久光 電撃文庫

本書では《みすてりいサークル》の面々が第一の殺人事件(学校の朝礼という大勢の人間が見ている最中に殺された体育教師の事件)を検討するシーンがある。だが、彼らは肝心なことに全く触れていない。「魔法のカメラがど−のこーの言う前に確認すべきことがあ…

勧めてくれた子に悪いから『悪魔のミカタ』の感想を書き直しました。さらにひどいこと言っています。ゴメンナサイ。所詮素人のくだらない感想です。あんま気にしないで下さい。

 『悪魔のミカタ 魔法カメラ』 うえお久光 電撃文庫

つまらない。つまらない。つまらない。

 『百鬼徒然袋―風』 京極夏彦 講談社ノベルス

おなじみの名探偵・榎木津礼二郎が猫・鏡・能面に関する3つの難事件を粉砕するという中編集。どの作品も平凡な青年・本島が語り手を担当している。榎木津がどんどん壊れていく様がみていて非常に痛々しい。“右手”や“釈然”なんかのお遊びは相変らず楽しいのだ…

 『赤ちゃんがいっぱい』 青井夏海 創元推理文庫

「ハローベイビー研究所」という怪しげな病院で起こった盗難事件&赤ん坊の置き去り事件を解決するために明楽先生が挑むという長編ミステリ。 前の短編集『赤ちゃんを探せ』の項でも書いたのだが、語り手の亀山陽奈のキャラクターが非常に鬱陶しく、うんざり…

 『琵琶湖殺人事件 ハイパー有明14号「13時45分」の死角』 津村秀介 光文社文庫

もっちさんがはじめて購入したミステリ。もっちさん想い出の一品。瀬田駅と西大津駅で起きた二件の殺人事件の謎を新聞記者・浦上伸介が解明しようとするトラベル・ミステリー。 メイントリックは瀬田駅を始発駅にしてYahoo!とかの路線検索を実行した経験の…

 『ヴァンパイヤー戦争1 吸血神バーオゥの復活』 笠井潔 講談社文庫

セックスとバイオレンスでHey!Hey!Hey!な小説。中学生の時に読んだらもっと楽しめたかもしれないが、いまさら読んでもたいして面白くなかった。

 『マークスの山(上)』 高村薫 講談社文庫

殺人鬼・マークスと警察組織との軋轢に悩む合田雄一郎刑事との死闘を描いた物語の上巻。 デビュー作の『黄金を抱いて翔べ』の時にも感じたのだが、高村薫の文章は非常に硬い。事件を淡々と描いていく。物語自体は面白いのだが、少々単調さを感じてしまう。下…

 『まどろみ消去』 森博嗣 講談社文庫

私は森が非常に嫌いで嫌いでしょうがなかった。この短編集も『ミステリ対戦の前夜』やら『誰もいなくなった』やらを、「ああ、いつもの森だな、クソつまんねえ」と呟きつつも我慢しながら読んでいた。 だが、最終話『キシマ先生の静かな生活』を読んでそんな…

 『木曜の男』 G・K・チェスタトン 創元推理文庫

一人の男がとある秘密組織に潜入して、「日曜の男」と呼ばれる強敵を倒そうとして奮闘するという週刊少年ジャンプみたいなストーリー。 チェスタトン唯一の長編ミステリというのがこの本の売り。ただ、チェスタトンお得意の《逆説》というのは、やはりブラウ…

 『グランド・メトロポリタンの宝石盗難事件』 原作:アガサ・クリスティー

ホテルで起こった真珠の首飾り盗難事件を解決するポアロの活躍を描く。本編のメインは鮮やかに謎を解くポアロよりもやはり「メイドさんVSフランスのメイドさん」の罵り合いガチンコバトルだろうか。 あとアニメの解決編を見ていて、「あれ?ポアロの推理って…

 『さよならトロイメライ』 壱乗寺かるた 富士見ミステリー文庫

先日大人の事情で入手した本。というか表紙に惹かれたので強奪してきた。 しかし内容はひどい。とにかくひどい。「俺が読みたいのはこーいうミステリじゃないんだよっ」と琵琶湖にむかって大声で叫びたくなる、そんな1冊。

 『暗いところで待ち合わせ』 乙一 集英社文庫

何かと話題の乙一の作品。盲目の少女と諸般の事情から警察に追われている男との交流を描いた長編小説。元さんが勧めてくれた作品のクセに非常に面白い。確かにこの作品を読んだ人間なら元さんの言うとおりシチューが食いたくなってくる。 ただ、後半のミステ…