『黒いリボン』 仁木悦子

 仁木悦子(登場人物)は偶然国近絵美子と出会い、彼女の家に招待される。絵美子には2人の子供がいたのだが、彼女の結婚生活は決して幸せなものとはいえないようだった。そんな中、家人が目を離した隙に長男が誘拐されるという事件が起こる。更に身代金を払いに行った国近昌幸氏が殺されるという事件も発生する。仁木雄太郎と仁木悦子(登場人物)の兄妹が活躍する長編ミステリ。
 発端は誘拐事件でスタートするが、どちらかといえば殺人事件のほうに重点を置かれている印象を受けた。文庫本にして200頁弱ながら真っ当な作品。ミステリとしての意外性というか驚きというものはあまり得られないが、安心して読める作品。