『漂う提督』 アガサ・クリスティー他 ハヤカワ・ミステリ文庫

 チェスタトン、クリスティ、セイヤーズクロフツ、バークリーなど黄金時代の12人の作家が書いたリレー小説。2ちゃんねるメフィスト学園みたいなもの。現在絶賛絶版中だが、その理由もうなずけるような出来だ。ミステリとしてはあんまり面白くないが、執筆者は豪華。
 また最終章を担当したバークリー以外の作家も解決編を書いている。つまりリレー小説とはいっても、途中の章を担当する作家もきちんと解決編を書かなくてはならない。つまり伏線を放り投げて、事件を混乱させることだけを好き勝手に書けないような構成になっている。