『完訳 ペロー童話集』 新倉朗子訳 岩波文庫

 現代向けの童話を読むんならキチンと元ネタをおさらいしとかないとあかんなということで、誰もが子供の頃読んでいるだろうけど、大人になってから読む奴はあんまいないっぽいペローの童話集をきまぐれに読んでみた。
さて、このペローの童話集、どれもつらつらとお馴染みの物語が語られた後に数行程の要約というか、その話から得られる教訓のようなんが書かれておるんですが、これが結構えげつない。「いくらお金持ちで頭がよくってもハンサムじゃなきゃ幸せになれませんよ」みたいな教訓が平気でのっているので、子供向けの読み物だと思って油断して読んでいると、結構へこむ。つまり所持金500円で単位も一桁しか取れなくて部屋にこもりがちな駄目駄目人間には幸せなんて夢のまた夢ですよと。多分、そういいたいんですね、作者は。ああ、ペローうぜえ。