2004-10-01から1ヶ月間の記事一覧

 『徳川家康(3) 朝霧の巻』 山岡荘八 山岡荘八歴史文庫

二巻のラストが織田信長の父ちゃんの葬式で、この三巻は東海の巨人・今川義元が織田信長に討たれた“桶狭間の戦い”で幕を閉じる。タイトルは徳川家康なのに、何故織田信長にそんなスポットライトを当てるんですか、山岡荘八さんは? いや、十分面白いから別に…

『ISOLA』とかよくデビューできたよね。『黒い家』とか全く怖くないよね。『硝子のハンマー』って一体何処が面白いの?俺の心の支えはバングルバングルだけだよ、ほんとにもう。

 『義経(下)』 司馬遼太郎 文春文庫

司馬遼太郎の小説は発想だけでなく文章もオヤジ臭くて楽しめない。文章に若さがない。池波正太郎は楽しめるのにね。

 『真田太平記(五) 秀頼誕生』 池波正太郎 新潮文庫

秀吉が死に、天下は徳川家康のものになろうとする。秀吉を好いている真田昌幸は秀吉の息子である秀頼に後を継がせたいと思うが、それ故に徳川家康と親しくする長男・真田信幸との対立を深めていく。 お江さんやら佐助やら忍者も十分にキャラ立ちさせて、池波…

 『嫁洗い池』 芦原すなお 創元推理文庫

1袋50円の醤油ラーメンや味噌ラーメンを常食としている人間からしたら、本書に出てくる数々の料理は滅茶苦茶美味そうにみえる。事件の発生とその解決の仕方のパターンがほとんど同じなので、ミステリとして読んでいたら終いの方では飽きてしまったのだが、飯…

 『最後の密室』 土屋隆夫 廣済堂文庫

作品そのものよりも巻末エッセイ「試論・推理小説とはなにか」の方が面白い。

 『オーデュボンの祈り』 伊坂幸太郎 新潮文庫

「ぼくらの時代の新しい文学」などと伊坂幸太郎が紹介されていて、その時点で読む気が40%位失せた。もちょっと真面目に仕事しようよ、編集部。給料もらってんだしさ。 で、読み始めてすぐに気づく。「うわ、これ浅暮の「ダブ(エ)ストン」みたいな物語じゃ…

 『真田太平記(四) 甲賀問答』 池波正太郎 新潮文庫

今回のメインは忍び達。お江を代表とする真田の草の者たちと豊臣家に仕える甲賀忍者達との死闘が描かれる。己が肉体を極限まで鍛え上げた者たちの騙し合い、殺し合いが熱い。山風の忍法帖とはベクトルがちがうが、これはこれで楽しめた。

 『平井骸惚此中ニ有リ 其参』 田代裕彦 富士見ミステリー文庫

二作目と比較してミステリー色を弱め、ラヴ成分を強くした模様。誘拐事件と殺人事件が起こるのだが、両者ともシンプルすぎる、容疑者が少ないから選択肢自体が限られてしまう。もうちょっと何とかして欲しかった。編集部の都合もあるのかもしれないけど。 参…

 『かげろう忍法帖』 山田風太郎 ちくま文庫

風太郎忍法帖の世界に浸る。 出てくる忍法は馬鹿馬鹿しい。でも登場する忍者たちがどいつもこいつも必死なので、読んでいて何故か泣けてくる。こいつらは生きているんだなというのがようく伝わってくるから。頭が生えてくるやら生け造やら、忍法はホントに馬…

 『月の砂漠をさばさばと』 北村薫 新潮文庫

オレは人が死ぬ小説を読んでへらへらと笑っているという自他共に認める下衆野郎なのだが、それでもこの小説を読んでいる間だけは、間違いなくオレは善人になれる。そんな気がする。それ位読む者を心地良くさせる小説。こんなに居心地の良い作品を読むのは久…

 『幻夜』 東野圭吾 集英社

『白夜行』の続編。阪神大震災で出会った男と女の物語。 白夜行の方がいいかなあ。あっちには主人公とヒロインとの信頼関係がまだあったような気がするんだが、この作品だと魔性の女に男が良い様に操られているだけという気がする。小説の中でぐらい、もっと…

 『読書について 他二篇』 ショウペンハウエル著 岩波文庫

本を読むことよりも物を考えることの素晴らしさを説いた『思索』、ドイツ語の乱れを嘆く『著作と文体』、多読よりも精読、再読の素晴らしさを説く『読書について』と計3作品を収録。 著者が読者に伝えたい事がはっきりしているせいか、論旨が明確で、非常に…

 『ロボット妹 改め人類皆兄弟! 〜目覚めよ愛の妹力〜』 佐藤ケイ 電撃文庫

一行読めば一行分、一頁読めば一頁分だけ自分の頭が悪くなっていくことが実感できる。これを書いた作者が悪いわけではない。出版した編集部も別に悪くない。読んでしまった俺が悪い。

 『九時から五時までの男』 スタンリイ・エリン ハヤカワ文庫

過剰な老齢人口に悩む世界を描いた『ブレッシントン計画』、蚤の世界の愛憎劇を描いた『蚤をたずねて』、死刑執行人vs跡継ぎ息子との問答が熱い『倅の質問』など人間の悪意を描いた10の短編を収録。 こういう『奇妙な味』を売り物にした作品は星新一や『キノ…

 『真田太平記(三) 上田攻め』 池波正太郎 新潮文庫

真田信幸は徳川家康の重臣・本田忠勝の娘である稲姫を妻に迎え、徳川家との結びつきを強くする。一方真田幸村は豊臣秀吉の重臣・大谷形部の娘との縁談が進んでいく。こうして真田兄弟の埋めることのできない溝が、少しずつ、しかし決定的に深められていく。 …

 『黒い家』 貴志祐介 角川ホラー文庫

アミーゴ!

 『悪魔のひじの家』 ジョン・ディクスン・カー 新樹社

同じことばっか書いていて申し訳ないんだが、カーは殺人事件よりも、ドタバタやロマンスの方が楽しめる。たまたまそういうテイストが強い作品だけを俺が読んでいるだけかもしれないけど。 この作品でも、他の登場人物達が恋愛や遺産相続などの諸問題に対処し…

 『終の空』 ケロQ

とりあえずエロシーンが泡坂妻夫でした、ハイ。

 『死の内幕』 天藤真 創元推理文庫

ふとした偶然から内縁の夫を突き飛ばして殺してしまった小田ます子は、友人の柏木啓子たちの悪知恵に唆され、嘘の目撃証言をして、偽の犯人をでっちあげる。しかし、実在するはずのない男その目撃像と瓜二つの男・矢尾正吾は濡れ衣を晴らそうと奔走しはじめ…

月姫に続き、頼んでもいないエロゲーをもらいました。人がいっぱい死ぬエロゲーらしいです。私は一体どういう人間だと思われているのでしょうか?とりあえず悲しいです。 朝、主人公が女の子にたたき起こされるというオープニングシーンで続きをやる気がなく…

 『真田太平記(二) 秘密』 池波正太郎 新潮文庫

『秘密』と題された本巻では真田昌幸の二人の息子・信幸と幸村の出生にまつわる話が語られる。 秀吉が小牧・長久手の戦いを経て、どんどんと日本を己の勢力圏に組み入れていく横で、一巻同様へこへこと北条や上杉などの大勢力の顔色をうかがって、なんとか自…

 『戦う少女と残酷な少年 ブロークン・フィスト』 深見真 富士見ミステリー文庫

ぶっ飛んだ密室トリックがなかなか面白い。トリックの構造自体は我孫子武丸の某作品や貴志祐介の某作品と似ているんだが、発想のスケールではこの作品が一番大きい。ような気がする。 とりあえずヒロインがスパッツを穿いているのが非常に良かった。

 『真田太平記(一) 天魔の夏』 池波正太郎 新潮文庫

武田の滅亡と、その武田を亡ぼした織田信長が本能寺に倒れ、それに翻弄される真田家の攻防を描いた物語。お江さんというくのいちが活躍するのだが、この人が口から粘着性の唾を吐いたり、死んでも生き返ったりしない(要するに必殺技を持っていない)のが不…

 『白夜行』 東野圭吾 集英社文庫

20年に渡る男と女の物語。 この小説の第2章にカメラ小僧の秋吉雄一という情けない少年が登場するんだが、こいつがオレと似たような名前なんで、不必要に感情移入してしまった。不良たちに取り囲まれてボコられてるシーンで、彼の出番が全て終わってしまうの…

 『死が二人を分かつまで』 ジョン・ディクスン・カー 国書刊行会

最近ミステリ読んでないので、3ヶ月ぶりにカーを読んだ。カーの作品はオカルティズムや密室トリックに代表される不可能犯罪なんかの要素を無視して読むとかなり面白い。いや、俺はカーはあんま好きな作家じゃないから、こういうこと言うのはアレなんだが。本…

 『彼方より』 篠田真由美 講談社

ジャンヌ・ダルクと供に戦った英雄にして『青髭』のモデルとなったジル・ド・レを扱った小説。遠藤周作の『沈黙』のような「神の不在」がメインテーマなのだろうか。 ホモっぽい。とにかくホモっぽい。この一語に尽きる。テーマ自体はかなり高尚なのだが、肝…

 『凍える島』 近藤史恵 東京創元社

孤島に集まった男女が密室とかでバカスカと殺されていく長編ミステリ。第4回鮎川哲也賞受賞作。 近藤史恵の長編は初めて読むので、西村京太郎並に読点を多用する独特な文章にちょいと戸惑う。また登場人物の大半が痛いキャラクターなのも辛い。死にたきゃさ…

10月9日に花園大学で篠田真由美と近藤史恵の講演会が開催されるので、そのためにそれぞれの作家の著作を読んでみたのだが、講演会自体は全く面白くなかった。 近藤史恵はあまり喋らないし、篠田真由美は西尾維新なんかの若手をけなしてばっかだし。おまけに…

 『ISOLA 多重人格少女』 原作:貴志祐介

主人公がウザイ。