『グランド・メトロポリタンの宝石盗難事件』 原作:アガサ・クリスティー


 ホテルで起こった真珠の首飾り盗難事件を解決するポアロの活躍を描く。本編のメインは鮮やかに謎を解くポアロよりもやはり「メイドさんVSフランスのメイドさん」の罵り合いガチンコバトルだろうか。
 あとアニメの解決編を見ていて、「あれ?ポアロの推理ってこんなに強引だったけ?」などと考えつつ原作を読み直してみたら、小説の方でもアニメと同様(逆だよ、アニメが原作を忠実に再現してるんだよ)強引な推理をしていた。まあ、ポアロは元々こういう探偵だから気にしない、気にしない。
 あ、でも解決編で一同を集めてポアロが推理を披露するのは、お約束ながらも見栄えがいいやね、やっぱり。原作ではヘイスティングズが事後的に真相を知らされるだけなんで、ここいら辺はいい変更点だと思う。
 それと原作ではポワロが手伝ってもらうのはジャップ警部だったのが、シャープ警部(『ヒッコリー・ロードの殺人』に出てくる刑事)に変更されていたのはNHKらしい配慮なんだろう。それにしても名前のせいでジャップ警部はこれから出てこれないのかと思うとちょっと残念。
 しかし「参院選挙のため来週はお休みします」と礼儀正しく宣言するポアロが一番印象に残っている。