『第三の銃弾[完全版]』 カーター・ディクスン ハヤカワ文庫

 久々の海外ミステリ。3種類の拳銃から発射された弾丸の謎をめぐる中篇。
 カーの作品ということであんま期待していなかったのだが、かなり面白い。人が一人しか死なないのがちょっと物足りないけれども、3つの拳銃をめぐるやりとり(どれが最初に発射された銃弾なのか)なんかのポイントが高い。
 それとラストのとってつけたようなラブロマンスも結構いい。俺は、カーのこういうロマンスに関するお約束な展開がかなり好きだ。
 あ、あと森英俊の解説もいいね。本編と同様「探偵小説万歳!」とかいって締め括ってるトコとか。うん、馬鹿っぽくて非常にいい。