『マークスの山(上)』 高村薫 講談社文庫

 殺人鬼・マークスと警察組織との軋轢に悩む合田雄一郎刑事との死闘を描いた物語の上巻。
 デビュー作の『黄金を抱いて翔べ』の時にも感じたのだが、高村薫の文章は非常に硬い。事件を淡々と描いていく。物語自体は面白いのだが、少々単調さを感じてしまう。下巻まで読んだら、また違った印象を受けるのだろうか。