『百鬼徒然袋―風』 京極夏彦 講談社ノベルス

 おなじみの名探偵・榎木津礼二郎が猫・鏡・能面に関する3つの難事件を粉砕するという中編集。どの作品も平凡な青年・本島が語り手を担当している。榎木津がどんどん壊れていく様がみていて非常に痛々しい。“右手”や“釈然”なんかのお遊びは相変らず楽しいのだが、正直このシリーズにはもう飽きたかな。