『黒の貴婦人』 西澤保彦 幻冬舎

 匠千暁・高瀬千穂をはじめとするいつもの仲良し4人組が、酒を飲みつつ、くっちゃべりながらも推理(というよりも妄想)を発展させていくという短編集。
 白眉はやっぱり表題作・『黒の貴婦人』だろう。ひとつの短編として読んだ場合、いつもの西澤保彦のミステリで面白くもなんともないのだが、以前の作品にあたる『スコッチゲーム』と『依存』の間の物語として捉えると極上のものとなる。
 とにかく高瀬千穂がすばらしい。最高にすばらしい。誰がなんと言おうと高瀬千穂はホントにすばらしい。