『危険な童話』 土屋隆夫 光文社文庫

 うちのミス研で流行った「お互いに(いらなくなった)本をおしつけあおうぜ」企画でもっちさんから頂いた本。ぁゃιぃ童話とそれにまつわる殺人事件を描いた物語。
 容疑者が一人だけなのだが、それでも最後まで飽きさせずに読ませるのがすごかった。特に最終章の動機が判明する章はいい。鬼気迫るものがある。
 ただ日本推理小説史上屈指の名作らしいのだが、登場する刑事の思考方法がずいぶんと古臭いので、そこにちょっと時代を感じさせられた。まあ半世紀近く前の作品なんでしょうがないのだけども。それでも残念だった。