富豪刑事 筒井康隆

 『ロートレック荘』と並んでミステリ野郎の間では評価が高い本書。都筑道夫の『退職刑事』の時にも感じたことだが、国内の昔のミステリは結構その時代の風俗をとりえているので、私は古臭さを感じてしまう。昔の作品でも舞台を執筆当時よりも以前に設定した作品(例えば『虚無への供物』とか)などは古臭さを感じないのだが、リアルタイムに設定されたものはどうしても読んでいて気になってしまう。筒井康隆はミステリよりもパロディ小説のほうが破壊力があって面白いような気がする。


 破壊力と言えば『巫女みこナース』など先日から思考停止して狂ったように聴いている楽曲なのだが、あれらはデムパソングと言うらしい。その名に恥じぬ脳味噌を引っ掻き回されるような破壊力だ。洗脳と言うのはこういうものかもしれない。音楽に夢中になるのは久しぶりだ。