『黒衣婦人の香り』 ガストン・ルルー

 あの有名な『黄色い部屋の謎』の続編。前作で明らかにされなかった『黒衣婦人』の秘密が明かされる。が、正直ミステリとしては全くお勧めできない。ミステリとしての出来も悪いし、純粋にお話自体もつまらない。登場人物のセリフも時代がかってて大袈裟で。いまさらこの小説を読んで楽しめる人はかなり少ないだろう。しかしその昔青年ルルタビーユや名探偵フレデリック・ラルサン、それにマチルド・スタンガースン嬢達の物語にふれたことがある人は、読んでみて郷愁に浸るのも悪くは無い。


 ちなみに登場人物一覧で前作『黄色い部屋の謎』のネタバレをしているので、未読の方はご注意を。