『世界の果てのカレイドスコープ』 野崎六助

 ミステリの評論。これをハードカバーで買ったのは失敗だったか。

 第1章の西尾維新などの若手に対する意見は、50代のおじさんが最近の若手をどう捉えているかが垣間見えて、結構興味深い。佐藤や舞城を笠井潔の「脱格系」と言う呼称ではなく「ゼロゼロ世代」と仮称しているが、前者と同様普及しないだろうな、これ。また私の嫌いな作家・佐藤友也を野崎は否定しながらも高く評価しているのが笑える。
  第3章ではレクター博士のキャラクターが如何に魅力的かをねたばれしまくりながら語っている。ハンニバルを未読だったから結構きつい。しかし本書で一番面白いのはここだから読むしかない。ここ以外はたいして面白くない。