『月の砂漠をさばさばと』 北村薫 新潮文庫

 オレは人が死ぬ小説を読んでへらへらと笑っているという自他共に認める下衆野郎なのだが、それでもこの小説を読んでいる間だけは、間違いなくオレは善人になれる。そんな気がする。それ位読む者を心地良くさせる小説。こんなに居心地の良い作品を読むのは久しぶりかもしれない。
 まあ、読み終わったら元のクズ人間に戻るのだけどね。即効で。