小説

 『親友記』 天藤真 創元推理文庫

天藤真のデビュー作となる『親友記』、大人向けの『なんとなんと』や『夫婦悪日』、少年向けの『誓いの週末』などバラエティに富んだ9編の短編を収録した1冊。一つの短編に複数のアイデアを惜しげもなくブチこんでいる。今のところ天藤真の短編集の中ではこ…

 『さらば愛しき女よ』 レイモンド・チャンドラー ハヤカワ文庫

主役のフィリップ・マーロウが後頭部をガツンとやられたり、酒飲んでヘベレケになってたりする、そんな小説。マーロウのセリフはかっこいいのだけども、行動がアホ丸出しなんで、その乖離っぷりがなんとも痛々しかった。

 『源頼朝(3)』 山岡荘八 山岡荘八歴史文庫

頼朝の挙兵に始まり、木曽義仲の討ち死にで幕となる第3巻。って、ちょっと待て。木曽義仲が討たれた所で物語が終わるというのは一体どういうことだ? 大姫と義高出てこねえよ。

 『源頼朝(2)』 山岡荘八 山岡荘八歴史文庫

伊豆に流された源頼朝と、そこで出会った様々なお姫様との恋模様が描かれた第2巻。イヤがるお姫様をムリヤリ手篭めにする頼朝の鬼畜っぷりが楽しめる。囚人なんだからもう少し遠慮しろよ、頼朝。

 『源頼朝(1)』 山岡荘八 山岡荘八歴史文庫

保元の乱で自分の親族を自らの手で殺めながらも、恩恵を得ることのできなかった源義朝。源頼朝の親父さんである源義朝が公家連中に唆されて決起した平治の乱での活躍と、そして彼の無残な敗北を描いたのがこの巻。 頼朝の出番はそんなにない。というか彼(13…

 『華胥の幽夢』 小野不由美 講談社文庫

はやく十二人の王様全員出しなさいよ。

 『黄昏の岸 暁の天』 小野不由美 講談社文庫

ワシ、このガキの麒麟、キライ。

 『図南の翼』 小野不由美 講談社X文庫

十二国記の中では一番のお気に入り。主人公が麒麟をひっぱたいたときには胸がスッとした。

 『フェアリー・フェラーの神技』 マーク・チャドボーン バベルプレス

一枚の絵に執着する男が体験する不思議な話。彼がたどり着くのは狂気の世界か、それとも……。 まあ、クイーンのファンなら読んでみてもいいんじゃねえの。

 『星界の戦旗Ⅳ 軋む時空』 森岡浩之 ハヤカワ文庫

これまでのストーリーをもう忘れちまったよ。

 『春季限定イチゴタルト事件』 米澤穂信 創元推理文庫

三話目の『おいしいココアの作り方』が犯人の犯行動機が非常に自然でよいね。物語を盛り上げるために犯人の行動原理が不自然になってしまうミステリが多い中(最近読んだミステリだと『幻の女』がそうだった)、この『おいしいココア〜』での犯人の行動はも…

 『インド三国史』 陳瞬臣 講談社文庫

物語が途中で終わってしまうね、これ。ジャンプの打ち切りマンガのように俺たちの戦いはこれからだぜという感じで終わってしまう。ちょっと残念。

 『剣難女難』 吉川英治 吉川英治歴史時代文庫

タイトルが示す通り、ストーリーはラブ&バトルアクション一本道。ただそれだけ。 地の分では普通だが、バトルになったら途端に文章が講談調になるので、読み難いったらありゃしない。おまけに吉川英治が先のストーリー展開を何も考えないで作った作品だとい…

 『月明かりの闇』 ジョン・ディクスン・カー ハヤカワ文庫

( ´∀`)σ)Д`)

 『生贄を抱く夜』 西澤保彦 講談社ノベルス

『情熱と無駄のあいだ』とその他の作品との落差がすさまじい。メフィスト連載中に、西澤保彦には何か嫌なことでもあったんじゃねえかと読者が不安になるくらい、『情熱〜』以外の7作が暗い。

 『幻の女』 ウイリアム・アイリッシュ ハヤカワ文庫

犯人の行動原理がワケワカラン。まあウールリッチは中短編が面白いらしいから、そっちに期待しよう。

 『陽気な容疑者たち』 天藤真 創元推理文庫

江戸川乱歩賞の最終候補に残るものの、戸川昌子の『大いなる幻影』と佐賀潜の『華やかな死体』に負けてしまって、乱歩賞を逃したという天藤真の記念すべきデビュー長編。3重ロックの密室殺人を扱ったミステリ。デビュー作にも関わらず、天藤真のその後の作風…

 『上杉謙信』 吉川英治 吉川英治歴史時代文庫

上杉謙信と武田信玄が激突した史上に名高い川中島の戦いをメインに描く。上杉謙信の生い立ちなどには一切ふれず、端折れる箇所はできるだけ端折ってとにかく戦だけを描いているので、お話として物足りない部分がチラホラと見受けられる。

 『華やかな死体』 佐賀潜 講談社文庫

城戸検事たちが集めた証拠が、汚い弁護士の手によって次々と覆されていくという後半の法廷場面がなかなか面白い。後味の悪いラストもグー。 ただ前半140頁はいらねえ。『十角館の殺人』並に無味乾燥な人物描写で読むのがだるかった。なんつーかキャラが死ん…

 『ぴよぴよキングダム』 木村航 MF文庫

ひよこが旨そう。丸焼きにして食いてえ。

 『真田太平記(十二)雲の峰』 池波正太郎 新潮文庫

関ヶ原の折の屈辱を忘れかねる徳川秀忠は、家康が死去するとただちに信之の真田藩に襲いかかった。秀忠は、信之の側近に送り込んだ隠密を使い、冬の陣の直後に幸村と密会した事実を突いて取潰しに追込もうとするが、ただ1人生き残った草の者お江の活躍で信之…

 『真田太平記(十一)大阪夏の陣』 池波正太郎 新潮文庫

幸村が死んじまったよ。

 『私が殺した少女』 原籙 ハヤカワ書房

奇妙な電話から誘拐事件に巻き込まれた沢崎。身代金受け渡しに失敗し、自分の責任で少女を殺してしまったと落ち込む沢崎が雪辱に燃える長編ミステリ。直木賞受賞作。 最後まで読めば、この作品が何故『私が殺した少女』というタイトルなか、その理由がよく分…

 『鬼平犯科帳(一)』 池波正太郎 文春文庫

火付盗賊改方として盗人たちには“鬼の平蔵”と恐れられる長谷川平蔵の活躍を描いた短編集。 この作品が第1話「唖の十蔵」を読めばよく分かる。江戸を荒らし回る「野槌の弥平」という盗賊一味を退治した後、盗賊の子と知って誰も引き取ろうとしないお順という…

 『真田太平記(10)大阪入城』 池波正太郎 新潮文庫

大阪に入城し、東軍を悩ます真田幸村の活躍を描いた巻。 登場人物が次々と死んでいくのが結構辛い。これまで真田家を苦しめてきた敵役、真田家を支えてきた人々がどんどん死んでいく。8巻からそうだったけど、この10巻が読んでいて一番辛い。真田昌幸が死ん…

 『黄金の壷』 ホフマン 岩波文庫

日々を無為に過ごすダメな大学生・アンゼルムスは接骨木(にわとこ)の樹のそばで美しいゼルペンティーナと出会い、恋に落ちる。魔法使いの婆さん・ラウエリンと戦い、恩師・パウルマン教授の助言をも無視し、ヴェロニカとの結婚という現世での出世さえも捨…

 『真田太平記(9)二条城』 池波正太郎 新潮文庫

イヤ、中弛みだろ、コレ。加藤清正の毒殺になんで1巻丸々使うんだよ。豊臣方と徳川家との確執はこれまでにもう十分描かれているんだから。この巻はいらないんじゃねえの。

 『死角に消えた殺人者』 天藤真 創元推理文庫

車に乗って崖から転落死した4人の男女。彼らには生前接点となるような交友関係は全くない。社会的地位、年齢とどれもがバラバラなのだ。警察は被害者4人のうちの誰か一人に恨みのある奴が犯人だろうと目星をつけて、捜査を開始する。しかし、その後の捜査…

 『盤上の敵』 北村薫 講談社文庫

十年前に読んでいたら素直に驚けただろうに。勿体無い。

 『ヴァンパイヤー戦争4 魔獣ドゥゴンの跳梁』 笠井潔 講談社文庫

思うに矢吹駆のようなグダグダ言っている奴が主人公じゃないから、この小説はいまいち面白くないのじゃなかろうか。