2004-08-01から1ヶ月間の記事一覧

 『ニーベルンゲンの歌 後編』 相良守峯訳 岩波文庫

夫であるジーフリトをハゲネに殺されたクリエムヒルトが、ありとあらゆる人間に迷惑をかけ、手段を全く省みず、恨みを晴らすという復讐の物語。 2万人をたったの2人で撃退する場面があったり、たったの1行で9千人が死んだりと前編の静かな宮廷ドラマに比…

 『ABC殺人事件』 アガサ・クリスティー ハヤカワ文庫

アンドーヴァーではアッシャー夫人が、ベクスヒルではバーナードが、そしてチャーストンではクラーク卿が殺される。貧しい夫人、若い娘、金持ちの男という様に被害者達には一見何の共通性も無い。唯一つの共通点といえば、各々A・B・Cの街でABCのアル…

 『硝子のハンマー』 貴志祐介 角川書店

お、おまえ、これ、アレじゃないか、つまん(以下自粛)

 『塔の断章』 乾くるみ 講談社文庫

俺は叙述トリックがキライ。大嫌い。ラストの意外性のために、真ん中全部を犠牲にするような小説を読むのはもう嫌。とにかく嫌。

 『クリスピン』 アヴィ 金原瑞人訳 求龍堂

母を亡くし、恩人である神父も殺され、挙句の果てには殺人と窃盗との二重の濡れ衣を着せられた貧しい少年・クリスピンと、そんな不幸な彼が旅先で出会った謎の男<通称・熊>との冒険を描いた物語。 「クリスピン」というタイトルに惹かれて読み始めただけな…

 『シネマ坊主』 松本人志 日経BP社

ああ、面白いな。映画とか興味ないけど、この本は面白い。

 『ニーベルンゲンの歌 前編』 相良守峯:訳 岩波文庫

なんとなくファンタジーが、それもコテコテのやつが読みたくなったので、ドイツの『イーリヤス』とも賞賛される本書を読んでみた。しかし、こいつは全然ファンタジーじゃ無かった。少なくとも俺の期待するようなやつじゃなかった。他の部族を討伐したり、嫁…

 『恋は魔術師』 高木彬光 角川文庫

70年台の歌謡曲のような題名と、それに反した厳ついオッサンの表紙とのギャップに惹かれて購入。ただ、内容自体はいたって平凡。胡散臭い私立探偵・大前田英策の活躍を描いた短編集。内容よりも表紙の方が面白かった。

 『われら殺人者』 天藤真 創元推理文庫

「復讐は未成年でもかめへんで、人類の基本的人権やからな」という帯につられて購入。天藤真の全集では3冊目となる短編集。「中三コース」なる少年誌に掲載された作品等があるため、少年達を主人公にした物語が多い。 私のお気に入りは『幻の呼ぶ声』。これ…

政宗さんとこの投票結果をみてみた。意外に人気あんのね、『霧ケ峰涼の屈辱』。なんか嬉しい。

 『私が愛した名探偵』 新保博久=編著 朝日新聞社

この本は最高だ。クイーンのことを“論理の神に仕える司祭”とか表現している北村薫のやつが特にいい。いい買い物をした。

 『ハイド氏の奇妙な犯罪』 ジャン・ピエール・ノーグレット 創元推理文庫

スティーブンスンの『ジキル博士とハイド氏』とコナン・ドイルの『シャーロック・ホームズ』とをネタにした二重パロディ。上手いんだけども、あんま面白くなかった。

 『ミニミステリ100(上)』 アイザック・アシモフ他編 ハヤカワ・ミステリ文庫

アシモフが選んだショート・ショートのアンソロジー。傑作とはいえないようなレベルの作品がいくつもある。アシモフ自身が序文で言っているようにエラリー・クイーンの『ミニ・ミステリ傑作選』のほうがはるかに面白い。 一応私のお気に入りはジョン・ラッツ…

 『ヴァンパイヤー戦争2 月のマジックミラー』 笠井潔 講談社文庫

笠井潔の書き方が下手なせいかなんだか知らないが、吸血鬼といいSFっぽい設定といい、お話自体は全体的に安っぽく、とても読めたもんじゃない。ただ圧倒的な暴力描写が読んでいて意外に楽しかった。

 『怪盗ニックの事件簿』 エドワード・D・ホック ハヤカワ文庫

依頼料2万ドルで奇妙なもの、価値の無いものを盗むという一風変わった怪盗・ニックの活躍を描いた短編集。 この短編集に収録されている『昨日の新聞』で、ニックの恋人・グロリアにニックの本当のお仕事がばれちゃったのが多少残念。ヒーロー物のお約束を守…