「そんなにお前は妖怪が好きなのか、京極?」という一冊。江戸時代に人気のあった妖怪・豆腐小僧がさまざまな妖怪と出会うというお話。中島敦の『悟浄出世』なんかをイメージしてもらえればわかりやすいと思う。あれみたいに豆腐小僧が「自分という妖怪はいったい何なのか?」と真剣に悩んだりする。
ミステリではないが、密室・殺人事件・憑き物落しなどそれらしい小道具はいろいろと出てくる。京極の『妖怪馬鹿』なんかが好きな人には楽しく読めるんじゃないだろうか。私は2000円分は文句無く楽しめた。どうでもいいが猫娘はネコミミとしっぽが付いているから萌えキャラなんだそうな。これは結構カルチャーショックだった。