2004-08-28から1日間の記事一覧

 『切り裂きジャック・百年の孤独』 島田荘司 集英社

1888年にロンドンで起こった5件の連続娼婦殺人事件と、1988年にベルリンで起きた連続娼婦殺人事件を扱ったミステリ。探偵役はクリーン・ミステリを名乗る謎の人。 全体の出来はいまいち。「何故切り裂きジャックが内蔵をグリグリするのか?」という動機づけ…

 『黄色い部屋はいかに改装されたか?』 都筑道夫 晶文社

クリスティーの探偵役の一つにハーリィ・クイン氏という人がいまして、この人は相手に過去に起きた恋愛絡みの事件の話をさせ、自分はその人の話に相槌を打つだけで、積極的には何もしない。でも、いつのまにかその話し手自身が自分の力で事件の真相に気づか…

 『宮本武蔵(三)』 吉川英治 吉川英治歴史時代文庫

宍戸梅軒や吉岡清十郎・伝七郎兄弟、更には佐々木小次郎などの剣豪なんかよりも、お杉婆の執念の方が怖い。息子・又八のためという免罪符を手に、他者の迷惑を省みず、好き勝手暴れまくる姿は鬼としか言いようがない。非常に性質が悪い。