『ヴァンパイヤー戦争6 秘境アフリカの女王』 笠井潔 講談社文庫

 三種の神器をめぐってソ連アメリカとドンパチするこのヴァンパイヤー戦争、6巻目でございます。度々つまらないつまらないと連呼してきましたが、6巻目にしてようやく面白くなってきました。途中で投げ出さなかった私を誉めてあげたいです。思いますに舞台が日本から異国の地であるフランス、及びアフリカ大陸の奥地へと移動したことに、この面白さの原因があるのではないかと。日本のことは読者が良く知っているからですね、日本を舞台にして秘密道具争奪戦を展開されてもですね、違和感が残るのですが、この争奪戦が日本を離れてアフリカの奥地のような胡散臭い場所で展開されるとですね、胡散臭さに胡散臭さが掛け合わされて胡散臭さが胡散臭さで無くなるという、文章にするといまいちわかりにくいんですが、そんな感じになってくるので物語に没頭しやすくなるんですね。−の値に−の値を掛け合わせるようなもんで。
 多分7巻は6巻よりも面白いはずですよ。この巻はまだアフリカ編導入部といった感じでフランスがメインですから。