『赤ちゃんをさがせ』 青井夏海 創元推理文庫

 妊婦ミステリの短編三作。フィリップ・マーロウに代表される野郎どもが「タフでなければ…」などとほざいている横で、ちゃかちゃかと子を産んでいく妊婦たちが、非常に魅力的に描かれていて面白かった。物語があまりにも面白かったので、ミステリとして読むのを忘れてしまった。
 ただ残念なことに、語り手の女性が大変うっとうしいキャラとして描かれているので、読んでいて不愉快だった。まあ、ワトスン役はアホキャラな方が何かと都合がいいのかもしれないけど。