『七年目の脅迫状』 岡嶋二人 講談社文庫

 「次週のメインレースの一番枠の馬を勝たせよ、この要求を受け入れなかった場合には……」という脅迫状が中央競馬会に届く。真相を究明するために主人公・八坂心太郎は北海道へ赴く。
 競馬三部作の中の2作目。非常に堅実な作品。格別驚くような密室トリックや、ラスト一行で明かされるような叙述トリックがあるわけではない。読んでいてただただ面白い、それだけが取り柄という素晴らしいミステリ。主人公が見合い相手と偶然北海道で出会うというのが、ちょっと2時間ドラマっぽいご都合主義のような気がする。ヒロインのキャラが魅力的だからいいけど。
 しかし2作目でコレかよ、信じらんねえな。