『名探偵群像』 シオドー・マシスン 創元推理文庫
歴史上に名を残した10人の偉人たちが名探偵となって、各々が巻き込まれた殺人事件を解決していく短編歴史ミステリ。エラリ−・クイーンの序文が熱い。ただ歴史ミステリなんで楽しむのにはやっぱり人を選ぶ。以下テケトーなメモ。
- アレクサンダー大王…BC3世紀の英雄。本編では彼が被害者兼探偵役。
- ウマル・ハイヤーム…詩集『ルパイヤート』の作り手。本編ではかなり正確な暦を作るものの、採用されなかったという経緯を持つちょっとかわいそうな人。
- レオナルド・ダ・ヴィンチ…ルネッサンス期に活躍した何でも屋さん。本編では真相を看破するも敢えて公表しないというちょっといいおじさんとして描かれている。
- エルナンド・コルテス…アステカを征服した人。この人はちょっと悪人っポイ。
- ドン・ミゲール・デ・セルバンテス…「ドンキホーテ・ラ・マンチャ」の作り手。本編では彼の著作である「ドンキホーテ」が事件解決の糸口となる。
- ダニエル・デフォー…冒険小説「ロビンソン・クルーソー」の作り手。本編ではこの冒険小説のモデルとなった人物に焦点が当てられる。
- クック艦長…エンデバー号で太平洋を冒険した人。彼の航海中におこった殺人事件が本編で扱われている。犯人に対して罠を仕掛けるくだりが気に入っている。
- ダニエル・ブーン…アメリカ西部の開拓者。
- スタンレー、リヴィングストン…アフリカ大陸を探検した人たち。
- フローレンス・ナイチンゲール…クリミア戦争時に活躍した看護婦。