『飢えて狼』 志水辰夫 講談社文庫

 第2部の山登りの場面は噂通りなかなかの物だが、それ以外がなあ。どうにもこうにも時代設定が古臭くて物語にのめりこめない。こういった取材を綿密に行う作家ほど、時の流れについていくのがキツイんだろうかね。福井晴敏を20年後に読んだら、これと同じようなことを感じるのかな。