『空の境界 上』 奈須きのこ 講談社ノベルス

 最近ね、池波正太郎とか山岡荘八とかちょっとおっさんぽい小説ばっか読んでたんでね、もうちょいと現代の若者らしく『空の境界』とか読んでみたのね。
 内容は超能力を持った少女達によるトンデモバトル小説なんだけど、普通に面白いね、これ。トンデモバトル小説というと俺は山田風太郎忍法帖がすぐに思い浮かぶんだけど、アレとは又違うのね、この小説は。なんだろうね、風太郎の忍法帖は、その忍者が持っている忍法のアドヴァンテージが、そのままその忍法が内在しているウィークポイントに直結しているじゃない。様々な忍法が登場してどれが最強とかは決めにくいじゃない。時や場面によって色々と左右されるし。
 でもね、コレは違うの。主人公の両義式が持ってる“直視の魔眼”は無敵なんですね。もう弱点が無い。うん、風太郎の忍法帖がもつ面白さとは違う。バトルがちょっと単調に成りがち。でも不思議と面白い。なんでだろう。
 まあ、とりあえず下巻を読もうか。