『伊達政宗(一) 朝明けの巻』 山岡荘八 山岡荘八歴史文庫

 天下人秀吉と渡り合い、後に伊達者の語源ともなった派手好みな英傑・独眼竜伊達政宗。その生涯を山岡荘八が描いた全8巻の物語。そのはじまりの巻。
 えー、『徳川家康』読めねえよと。全26巻は長えと。進まねえよと。文庫本で1万頁超えてんじゃねえかと。ふざけるなと。それに比べれば『伊達政宗』は非常に短いと。せいぜい2千頁位じゃねえかと。5分の1だと。そんなこんなで山岡荘八の『伊達政宗』に着手。
 1巻は取り上げるところがまだあまり無い。11歳(それも数え年)で結婚したり、政宗の父親が死んだりと、まあ色々あることはあるんだが、まだ、そんなに大きく物語りは動き出していない。伊達政宗といい、そのお師匠である坊主といい、キャラクターの魅力は満載なんだがね。小田原討伐も朝鮮出兵も関が原も先のことなんで、ひとまずそれらを楽しみにして読んでいこうか。
 しかし時代小説を読んでいていつも思うのだが、何故歴史上の人物をいちいち現代の企業家や社長に擬えたりするんだろうか?興醒めしてしまう。筋の運びといい、キャラクターといい、それだけでもう十分面白いのに。サラリーマンの手引書みたいなノリがどうも気に入らない。そういうのが受けた時代だったのかねえ。