『三四郎』 夏目漱石 講談社文庫

 京極夏彦の『魍魎の匣』に小道具として使われていたので読んだ。ホントに「Ir a le diable au corps」(悪魔が乗り移っている)が出てくるので、ちょっと驚いた。
100年前の作品だが、大学の講義を聴いていたら眠くなってしまう主人公や、同人誌をみせびらかす友人が登場したりと、かなり面白い。基本的に会話文がメインでテンポよくストーリーが進行するため読みやすかった。
 ただ残念なことに、恋愛小説が読みたくて、本書にとりかかったのに、恋愛の方はあっさりと描写されていたので、そこは物足りなかった。