『パンチとジュディ』 カーター・ディクスン ハヤカワ文庫

 私はカーはあんま読まないのだが、先日リッパー師匠にお会いしたときに「これは面白い」と勧められたので、読んでみた。序盤は結婚式を翌日に控えた主人公ケンウッド・ブレイクの活劇の描写が延々と続く。ドタバタにもそろそろ飽きたかなあと読者が思い始めた時に、名探偵H・M卿が登場し、関係者たちを次々と尋問して鮮やかに謎を解くというミステリ。
 前半のドタバタが結構面白いし、後半の謎解きもしっかりしているので、この作品はよかった。カーはツマンナイという先入観があったのだが、単なる読まず嫌いだったらしい。
 どうでもいいけど「ほっほっほっ」って笑うH・M卿は好きになれない。