『青い風景画』 仁木悦子 講談社文庫

 点字を利用したダイイングメッセージと大胆すぎる殺人トリックが冴える表題作『青い風景画』他4篇を含む短編集。
 中には(゜Д゜)ハァな作品もあるが、『まぼろしの夏』という作品が気にいったので、本書には満足している。『まぼろしの夏』は《回想の殺人》モノとしては普通の出来で、ラストの描き方もよくあるパターンと、決して絶賛する作品ではない。が、私のツボにハマる作品だった。報われない恋心という主題がよい。