『覆面作家は二人いる』 北村薫 角川文庫

 『イリヤの空』の影響からか、恋愛ミステリが読みたくなったので、久しぶりに北村薫を読む。あいかわらず面白い。第1話とかちょっとチェスタトンぽいかな。見えない人とか。恋愛のほうもテンポがよい。
 そういえば私は『空飛ぶ馬』の一連のお話は嫌いなのだが、こっちの『覆面作家』のほうは好きだったりする。視点人物が女性ではなく男性だからかもしれない。おそらく主人公が悩んでいる小説は嫌いなのだろう。『悩んでいる暇があったらさっさと死ねよ』などと、読んでいて考えてしまうからだと思う。