『匣の中の失楽』 竹本健治

 一部で4大ミステリとか言われててミステリ野郎の間での評判は高い作品。今まで読む機会が無かったので、春休みを利用して読んでみた。もっと若く、ミステリに夢中だったころに読んでいたら楽しかったかもしれない。今更読んでもなぁという一本。
 大体読者はこの作品を読んでいると、現実と虚構がごっちゃになるとかよく言われているらしいが、私にはそうは思えなかった。「清涼院と同レベルだよ、こんなもん」って言ったら殴られた。
 でも、もうホントにどうでもいいよ、推理合戦とか密室とかアリバイ崩しとか。そもそも中盤のだらだらと続く推理合戦自体が、しょぼくてたいして面白くないのが作品として致命的だと思う。

 メタミステリがつまらないのか、この作品がつまらないのかはよく分からないが、とりあえず私はミステリはもう好きではないのだろう。