『インド神話 マハーバーラタの神々』 上村勝彦 ちくま学芸文庫

 何故か分からないけど、インド神話を読まなければならないと唐突に思い立って、そんで代表的な『マハーバーラタ』を読もうとしたのですよ。しかしですね、この『マハーバーラタ』、ちょいと長すぎる。マハーバーラタといえばホメロスオデュッセウスイリアスを合わせたものの7倍の分量を誇ると呼ばれる大長編叙事詩。とてもじゃないけど手を出せない。そこで、ふと目に止まったのが、この本、『インド神話 マハーバーラタの神々』ですよ。
 上村教授によってインドの天地創造に始まり、ヴィシュヌ、シヴァ神、ガルーダやインドラなどの神々の活躍、頁数の都合から駆け足になってしまったとはいえヴィシュヌの化身・クリシュナの神話をも収めた1冊となっております。著名なエピソードは網羅されており、さらに平易な文章で書かれていることもあって、インドの神々に馴染みのない初心者にも非常にとっつきやすく、マハーバーラタの雰囲気・基礎知識を得るのに非常に有効でした。