『封神演義(下)』 安能務訳 講談社文庫

「大空の下に神、もしくは何らかの正義があるのか?
 生死に果たして意味や理由があるのか?
 我々が抱く疑問に答えが存在するのか?」


 そんな人間たちの叫び声をよそに、虐殺を繰り返す仙人達。彼らには正義や大義名分など必要ない。「殺したいから殺すんだ」その言葉だけを胸に秘め、彼らは殺戮を繰り返す。あるのは純粋な殺人衝動のみ。
 本書は人間達の戦争を描くとともに、仙人達の戦争も描くのが2大テーマなんだろうか。とりあえず塵芥の如く人間仙人関係無しに死んでいく。変な物語だ。