『妖精の時代』 キャサリン・ブリッグズ 筑摩書房

 妖精学の権威として名高いキャサリン・ブリッグズが書いた評論。学者が書いた評論なのだが、堅苦しさはあまり無く、民俗学などには専門外の学生でもスラスラと読める。オベロンやティターニア、マブ女王にパックやエアリアルなど、シェイクスピアの作品に登場するフェアリーたちについて多くの筆を費やしている印象を受けた。fairy(妖精)の語源がFate(運命)からきているとかいうくだりが面白かったかな。それとイラストが非常に豊富なので、『ぺとぺとさん』とはまた違った趣きの化物たちの姿を愛でることが出来た。