『大はずれ殺人事件』 クレイグ・ライス ハヤカワ文庫

 とあるパーティーの余興で、モーナは絶対につかまらない方法で人を殺して見せると宣言し、ジェークはその賭けにのった。そしてパーティーの翌日、衆人環視の中で一人の男が殺される。ジェークは妻のヘレン、友人の弁護士・マローンと協力してモーナの犯行動機を探すため、東奔西走するが…。
 

 小泉喜美子氏が絶賛するユーモア・ミステリ。ただ作中に散らばるユーモアは『スイート・ホーム殺人事件』でみられたようなカラッとした明るいユーモアではなく、結構ダークなものがチラホラと見受けられた。
 とりあえず発端が面白いので、それだけでラストまで一気に読めた。先行逃げ切りタイプなミステリだろう。上手くまとまった作品ではないだろうか。