『黒いハンカチ』 小沼丹 創元推理文庫

 普段は屋根裏部屋で昼寝をとるのを日課としているニシ・アズマ先生。しかし、彼女が一度メガネをかけると、どんな難事件も楽々と解決してしまう名探偵へと変貌する。そんな眼鏡っ娘探偵・アズマ先生が活躍する12の事件を収めた短編集。
 ミステリとしてはどれもあっさり風味なモノが多い。謎自体はどの作品もかなり小粒だが、一気に読ませる力があった。非常に私好み。特にタイトルが『蛇』やら『靴』やら『犬』などと、ストレートなところが気に入った。