『剣難女難』 吉川英治 吉川英治歴史時代文庫
タイトルが示す通り、ストーリーはラブ&バトルアクション一本道。ただそれだけ。
地の分では普通だが、バトルになったら途端に文章が講談調になるので、読み難いったらありゃしない。おまけに吉川英治が先のストーリー展開を何も考えないで作った作品だというのがミエミエで、いきあたりばったりでお話を進めているのがよく分かる。とりあえずやばくなったら主人公は気絶ですぜ、だんな。読者をなめるな、このやろう。
『インド三国史』 陳瞬臣 講談社文庫
物語が途中で終わってしまうね、これ。ジャンプの打ち切りマンガのように俺たちの戦いはこれからだぜという感じで終わってしまう。ちょっと残念。
『ミステリーの生まれたところ』 坂本康子著 NHK出版
NHKでやってる「アガサ・クリスティー紀行」を書籍化したもの。カラーが少ないよ、カラーが。せっかくイギリスまで綺麗な映像をとってきたんだから、もっとカラー写真を使おうよ。
『春季限定イチゴタルト事件』 米澤穂信 創元推理文庫
三話目の『おいしいココアの作り方』が犯人の犯行動機が非常に自然でよいね。物語を盛り上げるために犯人の行動原理が不自然になってしまうミステリが多い中(最近読んだミステリだと『幻の女』がそうだった)、この『おいしいココア〜』での犯人の行動はものすごく自然で実に良い。
『星界の戦旗Ⅳ 軋む時空』 森岡浩之 ハヤカワ文庫
これまでのストーリーをもう忘れちまったよ。
『フェアリー・フェラーの神技』 マーク・チャドボーン バベルプレス
一枚の絵に執着する男が体験する不思議な話。彼がたどり着くのは狂気の世界か、それとも……。
まあ、クイーンのファンなら読んでみてもいいんじゃねえの。
『黄昏の岸 暁の天』 小野不由美 講談社文庫
ワシ、このガキの麒麟、キライ。
『華胥の幽夢』 小野不由美 講談社文庫
はやく十二人の王様全員出しなさいよ。
『小さな手袋』 小沼丹 講談社文芸文庫
『黒いハンカチ』を書いた小沼丹のエッセイ集。たまには気分転換にエッセイ読むのもいいんじゃないですかということで、まあ読んでみた。とぼけた語り口が◎。