2004-08-16から1日間の記事一覧

 『殺意は砂糖の右側に』 柄刀一 祥伝社ノン・ノベル

表紙のイラストをみた時点でまず読む気をなくし、時折はさまれる挿絵にうんざりしながらも我慢して読んでいた。だが、この作品、中味自体は至って普通。プチ・荒俣宏みたいな名探偵の天地龍之介が主人公をつとめる謎解きミステリ。 計7編ほど収録されている…

 『クリスマス・イブ』 岡島二人 講談社文庫

クリスマス・パーティの舞台となる山荘で起こった連続殺人を扱ったサスペンス。会話文のテンポが良く、非常に読みやすいが、お話自体はたいした出来じゃない。岡島二人の著作の中ではレベルが低い方なのかな。まあ、とりあえず真夏に読むもんじゃねえ。

 『猫の舌に釘をうて』 都筑道夫 講談社文庫

事件の犯人にして探偵、かつ事件の被害者でもある淡路瑛一による手記という体裁をとった都筑道夫初期の意欲作。 俺は今まで都筑道夫の小説は『名探偵もどき』ぐらいしか楽しめなかったんで、道夫さんとは相性が悪いと思っていた。だが、それは、ただたんに、…