『現代語訳 平家物語(上)』 中山義秀訳 河出文庫

 和服のおねいさんが活躍する話を読もうかなと思い立ったので、現代語訳の平家物語に手をつけてみた。この上巻では「平家にあらずんば人にあらず」とまで言われた平家方の驕りを数々のエピソードを通して描くのを主眼としている。この巻には源氏という明確な対抗勢力が無いから(坊主や公家や法皇はいるんだが)、いまいち盛り上がり所に欠ける。終盤で以仁王が旗挙げしているので(すぐに討伐されるが)次の巻から激しい戦が始まるのだろう。そっちに期待しよう。
 で、『平家物語』を読むキッカケとなった肝心の和服のおねいさんなんですが、確かにいっぱいでてくるんですよ、和服のおねいさん。時代設定が12世紀末だから当たり前ですけど。ただ、彼女達は強烈な個性をもった平清盛という可愛らしいオヤジさんににキャラ喰われちゃってて、あんまり活躍していないのがちょっと残念。やはり巴御前の登場を待つしかないか。