2004-09-01から1ヶ月間の記事一覧

 『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』 滝本滝彦 角川書店

「輝かしい青春のひとときをフルスイングでドブに投げ捨てる」という著者紹介は面白い。が、本編はつまらない。若いんだからもっと頭の悪い文章を書いてほしい。

 『炎の背景』 天藤真 創元推理文庫

一人称が「ボク」の女の子を許容できるか否か。この作品はそれがすべてだ。

 『宮本武蔵(四)』 吉川英治 吉川英治歴史時代文庫

三十三間堂で退治する吉岡伝七郎と宮本武蔵との決闘を描いた『雪響き』が特に素晴らしい。手に雪が降り積もるほど身動き一つしない武蔵。にもかかわらず勝負は一瞬。すばらしい剣戟シーンですよ、これは。満足です。 ただ、時折挟まれるお通さんとお杉婆のパ…

 『恐怖の冥路』 コーネル・ウールリッチ ハヤカワ文庫

イブが殺されたのだ。脇腹にナイフを突き刺されて。大勢いた証人のだれもがビルを犯人と名指ししていた。彼は手錠をふりきり、迷路のような貧民窟へと逃亡した。たった一人で、奪われた恋の復讐を誓いつつ……。 サスペンスの巨匠とも謳われるウールリッチのブ…

 『十日間の不思議』 エラリイ・クイーン ハヤカワ文庫

ライツヴィル物第三の事件。後期クイーン問題で有名な作品。「あのね、後期クイーン問題ってのはね、ノー・シンセサイザーのクレジットがね…」などとほざいてくるお馬鹿なミステリファンの戯言は放置しておこう。そんな予備知識が無い方が本書は楽しめる。 …

 『一夢庵風流記』 隆慶一郎 新潮文庫

あまりに無法な『いくさ人』を天が別して愛した、そして隆慶一郎が惚れこんだ一人の傾奇者・前田慶次郎利益の数々の風流を描いた時代小説。 面白い本を読むと疲れる。昔はそうでもなかったが、最近は特にそうだ。声を出して笑うし、いちいち怒ったり泣いたり…

 『イリヤの空、UFOの夏 その1〜その4』 秋山瑞人 電撃文庫

「思い出よ 我が思い出よ いつまでここにこうして 私の人生につきまとうのか」などと呟きながら再読終了。やはり面白い。 とりあえず十年後位に、作者とほぼ同じ年齢になったらもう一度読んでみようか。おそらく今とは違う印象を抱くだろうから。それまでは…