『忍法関ヶ原 山田風太郎忍法帖短編全集7』 山田風太郎 ちくま文庫

『忍法関ヶ原』…ホモはイヤ。とにかくイヤ。
『忍法天草灘』…本編よりも江戸時代の口語を記した資料である「懺悔録」のほうが面白い。その資料の使い方はうまいけど、全体としてはいまいち。
『忍法甲州路』…恐るべき秘術を持つ三人の忍びに打ち勝たんとして腕を磨いた三人の剣客が、その対戦相手に特化しすぎた攻略方のために負けてしまうという作者の短編忍法帖らしい展開が○。
『忍法小塚っ原』…この4作の中では一番好き。「安政7年云々」のラスト1行で時代背景を全て語ってしまう作者の手腕が見事。