『悪魔のミカタ5』 うえお久光 電撃文庫

 この1作で私はうえお久光が好きになった。身体能力で圧倒的に優れている相手に対して、如何にして勝つかということに念頭をおいたボクシングの一戦が実に熱い。グリム童話の「ルンペルシュティルツヒェン」から採ったと思われる知恵の実(その名も“レフトアームスピーキング”)関連はどうでもいいと思えるぐらい、このボクシングの試合は輝いている。
 もしかしてこの作者「知恵の実」ださないほうが面白いんじゃないか?