『カリブ海の秘密』 アガサ・クリスティー ハヤカワ文庫

 「気のいいふわふわしたおばあさんのように見えていて、中身は全然そうじゃない」我らが詮索好きなマープルおばさんが療養中に出会った。マープルの右肩ごしに何かを見て驚愕する少佐、ホテルに集まる有閑人達、ぺちゃくちゃとおしゃべりばかりする登場人物たちとどうにも既読感が否めなかったんだが、よく考えたらマープルさんが登場するのは全部そんな話やん。殺人を未然に防ごうとするミス・マープルが健気。