『悪魔のミカタ6・7番外編』 うえお久光 電撃文庫
もう何がなんだか。これまでの主人公がでてこない。そもそも時代が違う。。完璧超人な小鳥遊と2巻から5巻まで全く出番の無かったヒロインをちょっとクローズアップさせたかったんだろうけど、でもシリーズ物でこれをやる必要があったのかな。
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月に一度の我らがアイドルであらせられるところの鬱神様が光臨しなさって、私の前でスパニッシュなファンダンゴを披露して一生懸命奮闘しなすってくださるんで、何とかセナ何とかセナということで「俺は虎なんだ、だってみてくれよ、こんなにも輝いているんだから(欝神様しかみてくれへんけど) でもどうやってこの罪を贖おう? 」などと益体もないことをブツブチいいながら小汚い指でキーボードを叩きつつ必死に自分をごまかしているんですが、とりあえずどうしましょうか? PCの電源切ったほうがいいですか? でも電源切った後の真っ黒いディスプレイに映る胡っ散臭いショボイ人間の顔なんぞをみたくないんですよ、もうこれ以上。ほら、シンデレラの魔法が切れた瞬間てもの凄い惨めじゃないですか。あんなんと同じで。でも魔法が切れる瞬間に立ち会った場合って、シンデレラ本人よりも周りの人間のほうがいたたまれないでしょうね。やっぱり寝た方がいいですか? 目を閉じましょうか? 永遠に? そんな度胸はないですよ? ケツの毛ほども無いですよ? そもそも誰に問いかけてるんですか、俺は? 話者は大丈夫ですか? 分裂してませんよね? 何、叙述? 叙述トリックなん? いっぱいいっぱいですか? やはり酒ですか? 酒が足りてないんですか? いきなり何ですかあなたは? 俺の腐った体なんざアルコールに浸して理科室に置いてある蛙の標本と同様、生徒たち全てから嫌われるようなそんなモンになっちまえばいいって言うんですか? 扱えっていうんですか? ふざけないでくださいよ。馬鹿にしやがって。
でも大丈夫、そんな地べたを這い蹲るナメクジよりも劣った困った子にもきっといつか虫愛ずる姫君様みたいな奇特な女性がボランティア精神を発揮して付き合ってくれたりとかしますから。絶対。多分、いますよそういうファンタジーな子。でも俺に近づいてくるような奴はまともじゃない可能性が高いですからね。そもそもボランティア精神で付き合おうとするようなそんな下賎な輩はこっちからお断りですよ。うん、おかしいな、脳内彼女をイメージしようとしたのに、なんで自分から駄目出ししているんだろう。申し込まれてもいないのに。やはり酒が足りないのか? もう寝ますね。大丈夫、俺はきちんと明日に向かって生きていますから。楽勝で寝れますよ。そもそも最低じゃないですもん、おれ。だってネットをみてたら俺より○×で△◇でアレな奴らがウジョウジョしていますから。下には下がいるんですよ。あんな屑どもに比べれば絶対に俺のほうがマシですよ。あ? 何、上? そんなもん雲に覆われていてみえやしませんよ。
『森を抜ける道』 コリン・デクスター ハヤカワ文庫
新聞記事に掲載された一編の詩から女学生失踪事件の手がかりをモース警部が探り当てる。前半はともかく、後半がモース警部にしては地味な(というか真っ当な)推理になってしまうのがうーんなんだかなという感じ。
犯人の説得力も十分あるし、ラストでのサプライズも申し分なく、ゴールド・ダガー賞受賞という売り文句にも納得がいくのだけれど、やはり俺がモース警部に求めるのは読者とルイス部長刑事を布津の国に置いてきぼりにしそうなぐらいブっ飛んだ、まさにアクロバティックとしか言いようのないそんなミステリが読みたかったんだけどね。
『エドウィン・ドルードの失踪』 ピーター・ローランド 創元推理文庫
うい? ミステリだと思って読んでいたら最後でオカルトっぽくなってた。
『UMAハンター馬子 闇に光る目』 田中啓文 ウルフ・ノベルス
うわ、びっくりだ。あまりにもつまらなすぎる。「これまでのあらすじ」から漂ってくるフォローしようの無い地雷臭にフラフラと惹かれて読んでみたのだが、期待を裏切らないつまらなさ。これは俺が理解できないだけで本当は面白いのかもしれないと一瞬錯覚してしまうぐらいしょうもなかった。現時点では今年度のワースト作品最有力候補。